ストーンヘンジと季節と宇宙の関係
夏至のストーンヘンジ。毎年1~3万人が集まってヒール・ストーンの先に昇る日の出を祝う
もともとこの辺りは夏至と冬至の太陽の方向がほぼ直角になるような特殊な場所であるらしい。さらに、ブルー・ストーンやトリリトンの中には月の運行を表していると思われるものもある。こうしたことから、この遺跡は天体観測や星々に関する宗教行事と関係があるものと考えられている。
ピラミッド、マチュピチュ、テオティワカン、アンコール、ボロブドウ-ル…世界中の古代遺跡は太陽・月といった天体や方角を強く意識して築かれている。いったいどうしてなのだろう?
古代遺跡に込められた人々の思い
二列に石が連なるエーヴベリーのストーンアベニュー
では、記念碑をどちらの方向に向けようか?
ものの影を見ていれば、いつも同じ方向で太陽がもっとも高くなることがわかる。この方角を南、この時間を正午という。夜、星を見ていると、星々はその真逆の方角を中心に回っていることを知る。この方角が北で、中心付近に位置する星が北極星だ。こうして東西南北の特殊性を知る。
ストーンヘンジの神秘的な造形。子供の頃、世界の謎・宇宙の不思議に打ち震えたあの思いがストーンヘンジには込められている
不思議なことに、太陽や星々の動きは人々の生活に直結していた。たとえば太陽がもっとも高く昇る頃に小麦が収穫できたし、太陽がもっとも低く運行する季節には渡り鳥がやってきた。太陽や星々の運行は動植物の動きと結びついていた。宗教建造物が天文学や方角と深い関係を持つのは、それが人間の生き死にに直結していたからだろう。
大湯環状列石、万座遺跡の日時計状組石。二本の環状列石の間にこのような組石が48基ある。日本にも100基を超えるストーンサークルや組石が存在する
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