忽然と消えた巨石文明の遺産「ストーンヘンジ」とは
謎に包まれた太陽のモニュメント、ストーンヘンジ
その中でもっとも神秘的で美しく、大きな謎を投げかけているのがストーンヘンジだ。今回はストーンヘンジを巡る謎や歴史・観光情報を中心に、イギリスの世界遺産「ストーンヘンジ、エーヴベリーと関連する遺跡群」を紹介する。
世界遺産「ストーンヘンジ、エーヴベリーと関連する遺跡群」の構成資産
エーヴベリーヘンジ。ストーンヘンジと異なり、エーヴベリーでは石のすぐ側まで寄ることができる。なんと入場料無料!
■ストーンヘンジとその周辺の遺跡群(Googleマップ)
- ストーンヘンジ
- ストーンヘンジ・カーサス
- ストーンヘンジ・アベニュー
- ダーリントンウォールズ
- ウッドヘンジ
- コリーベリーヘンジ
- レザーカーサス
- カッコウストーン
- エーヴベリーヘンジ
- シルバリーヒル
- ウィンドミルヒル
- サンクチュアリ
- ケネットアベニュー
- ウエストケネット・ロングバロウ
紀元前2500~前2000年頃の遺跡、ウッドヘンジ。かつては木の杭が六重の楕円形に並べられていた(現在はコンクリート柱が立っている)
四角形だったら「カーサス」、列なら「アベニュー」、土塁なら「ヒル」、単独の石は「ストーン」などと呼ばれているわけだが、この辺りで土や木や石を並べたさまざまな形の工作物が見つかっていることがわかる。
ただ、その多くは朽ちたり埋もれたりして当時の姿を見ることができない。そんな中、奇跡的に姿をとどめているのがストーンヘンジとエーヴベリーなのだ。特にストーンヘンジは世界中の子供にまで知られているわけだが、その理由はひと目で人を惹きつけるその神秘的な造形にあるのだろう。
不思議な不思議なストーンヘンジの空気感
神々しいストーンヘンジ。中央やや左の石の頂に凸状の突起が見える。ここに横石の穴を合わせて組んでいた(ほぞさし式)
ひとつは石。ストーンヘンジの周囲は羊たちがのんびり草を食む草原で、見渡す限りどこにも山や岩場らしきものが見えない。そんな草原のまん中に、不意に高さ4~5メートルもの巨石が何本もそそり立っている。
そして形。ただでさえ異様な巨石がきれいなサークル状に並べられ、石の上に巨大な石が乗っかっているものもある。石という自然の素材のみを使っていながら自然とかけ離れたその姿。知識などなくてもこの石のモニュメントが「非日常」であることはよくわかる。
ただ石が並べられているだけなのに、なぜこんなにも人の心を打つのだろう?
実際に見てみるとあまりに巨大でとても人の手によるものだとは思えない。その気持ちがよーく、わかる。