鎌倉と江ノ島エリアの梅の名所を歩く
鎌倉のお寺・神社めぐりに欠かせないのが、境内を彩る花。丹精込めて育てた花で観光客をもてなしたいという、お寺の方々の気持ちが伝わってきます。梅には「春告草」や「風待草」の和名もあり、春の到来を告げる
真冬はさすがに咲く花の種類も少なくなりますが、早いところでは1月に梅が咲き始め、2月の中旬頃に、多くの場所で見頃を迎えます。
今回は、鎌倉と江ノ島エリアの、梅の名所として知られるお寺・神社をめぐる散歩コースと、冬に行われるイベント情報をお届けします。
北鎌倉の梅の名所、東慶寺へ
まず最初に紹介するのは、鎌倉観光の玄関口、北鎌倉の東慶寺。境内の梅林で、2月から3月上旬くらいにかけて、紅白の梅を楽しむことができます。東慶寺の梅
梅のほか、冬の東慶寺で楽しみなのが、毎年恒例になっている『東慶寺仏像展』。東慶寺所蔵の仏像を境内の『松ヶ岡宝蔵』に一堂に集めて展示するイベントです。
数ある東慶寺の仏像の中でも、特に人気が高いのが『水月観音菩薩半跏像』。小品ながら、物憂げな表情で水面に映った月を見つめる、なんともいえない美しさから、私はこの仏様を「鎌倉の美女」と皆さんに紹介しています。
普段は水月観音堂に安置されており、事前予約をしないと拝観できませんが、『東慶寺仏像展』の期間中は予約なしで、しかも間近で拝観できるので、おすすめです。
松ヶ岡宝蔵
東慶寺は、明治時代のはじめまで"駆込み寺"、"縁切寺"だった歴史を持つお寺。女性の側から離婚の請求ができなかった江戸時代、今でいうドメスティックバイオレンスに苦しんだ、多くの女性を救いました。
仏像展の行われる『松ヶ岡宝蔵』には、いわゆる「三行半(みくだりはん)」といわれる離縁状など、縁切寺にかかわる史料も展示されているので、ぜひチェックしておきたいところ。縁切寺についての様々な知識を得ることができます。
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■東慶寺
住所:鎌倉市山ノ内1367
アクセス:北鎌倉駅より徒歩3分
地図・拝観案内
『東慶寺仏像展』の開催期間等の詳細は、東慶寺のホームページをご覧ください。