ホームページ作成/特殊文字・記号の記述 (HTML)

使うアイコンだけを含む最小限のウェブフォントを作る(3ページ目)

4,600種類を超えるアイコンの中から、自分が使いたいアイコンだけに限定して、専用のウェブフォントファイルを生成してくれるサービス「IcoMoon」を使ってみましょう。たった数個のアイコンを使うためだけに、数百種類ものアイコンを含んだフォントを読み込ませる必要はありません。無駄を排した最小限のアイコン用ウェブフォントが作れます。

西村 文宏

執筆者:西村 文宏

ホームページ作成ガイド

IcoMoonで生成したウェブフォントを使って、ウェブページ上にアイコンを表示させる方法

それでは、前ページで生成・ダウンロードしたフォントファイルを使って、ウェブページ上にアイコンを表示させてみましょう。以下の手順で操作・記述して下さい。

  1. 必要なファイルを抜き出してアップロード
  2. アイコンを表示させるためのCSSを読み込む
  3. アイコンを表示するためのHTMLを記述

1. 必要なファイルを抜き出してアップロード

ダウンロードしたZIPファイルの例

ダウンロードしたZIPファイルの例

まず、ダウンロードしたZIPファイルの中身を展開して下さい。

※ZIPファイルのファイル名には、フォント名として付けた名称がそのまま使われています。右図の右側はデフォルト(icomoon)の場合、左側は今回の例として付けた名称(allaboutsample)の場合です。


 
このZIPファイルを展開すると、下図のようなファイルとフォルダが出てきます。

ZIPファイルの中身と、必要なファイル

ZIPファイルの中身と、必要なファイル


※上記では、フォントファイルの名称が「allaboutsample」になっています。もし、フォント名をデフォルトのままにして生成したなら、「icomoon」というファイル名で生成されます。

必要なファイルだけをアップロード
これらのファイルやフォルダのうち、アイコンを表示させるために必要なものは、「style.css」と「fontフォルダの中身」の計5ファイル(上図の赤枠部分)だけです。これらのファイルを、自サイト上の適当な場所にアップロードして下さい。

ウェブフォントファイルは4種類
ウェブフォントとして使えるフォントファイルは、4種類のファイル形式で、fontフォルダの中に格納されています。ブラウザによって読み込めるフォント形式が異なるので、とりあえず4つ全部をアップロードしておきましょう。付属のCSSも、この4ファイルがあることを前提に記述されています。
  • 拡張子「.ttf」 :一般的なフォント形式であるTrueTypeフォント
  • 拡張子「.woff」 :ウェブフォント用に作られた標準フォント形式(Web Open Font Format)
  • 拡張子「.eof」 :Microsoftのウェブフォント形式(Embedded Open Type)
  • 拡張子「.svg」 :SVGで作られたフォント形式

2. アイコンを表示させるためのCSSを読み込む

アイコンを使いたいHTML内で、style.cssを読み込みます。HTMLのhead要素内に以下のように記述して読み込んで下さい。
<link rel="stylesheet" type="text/css" href="style.css">
このCSSファイルのファイル名は、自由に変更しても構いません。

※フォントファイルのアップロード先が「font」ディレクトリ(フォルダ)以外の場合
上記のCSSファイルでは、フォントファイルはすべて「font」という名称のサブディレクトリにアップロードされていることが前提になっています。もし、別の場所にアップロードした場合は、CSSソースの先頭付近にある以下の部分を修正して下さい。
@font-face {
   font-family: 'allaboutsample';
   src:url('fonts/allaboutsample.eot');
   src:url('fonts/allaboutsample.eot?#iefix') format('embedded-opentype'),
      url('fonts/allaboutsample.ttf') format('truetype'),
      url('fonts/allaboutsample.woff') format('woff'),
      url('fonts/allaboutsample.svg#allaboutsample') format('svg');
   font-weight: normal;
   font-style: normal;
}
複数のページから同じウェブフォントを利用するなら、(上記のような相対パスではなく)絶対パスでの指定に変更しておく方が良いでしょう。例えば以下のように。
url('/icomoon/fonts/allaboutsample.ttf') ...
※なお、上記のCSSソースは、フォントの名称を「allaboutsample」と指定してフォントファイルを生成した場合の例です。

3. アイコンを表示するためのHTMLを記述

demo.htmlを表示すると、フォントファイルに含まれるアイコンと、それに対応するclass名が分かる

demo.htmlを表示すると、フォントファイルに含まれるアイコンと、それに対応するclass名が分かる

さて、最後にアイコンを表示するためのHTMLを記述しましょう。方法はとても簡単で、
  • 適当なHTML要素に対して
  • アイコン名に対応するclass名を付加する
……というだけです。
どのようなclass名を付加すれば、どのアイコンが表示されるのかは、右図のように「demo.html」ファイルを表示させると分かります。

アイコンを表示させる記述例
例えば、アイコン名が「office」のアイコンを表示させたい場合は、以下のように記述します。
<i class="icon-office">オフィス</i>
また、アイコン名が「camera」のアイコンを表示させたい場合は、以下のように記述します。
<strong class="icon-camera">カメラ</strong>
上記では、i要素やstrong要素を使っていますが、他の要素を使っても構いません。p要素を使えば、段落の直前にアイコンが表示されます。

独自の接頭辞(Prefix)と接尾辞(Postfix)を指定した場合
もし、前ページのオプション設定画面で、「Class Prefix」項目と「Class Postfix」項目を独自に指定した場合は、それに合わせてclass名が変わります。例えば、「Class Prefix」に「sample」、「Class Postfix」に「pict」を指定した場合は、以下のように記述することになります。
<i class="sample-office-pict">オフィス</i>
<strong class="sample-camera-pict">カメラ</strong>

このように、簡単にアイコンを表示できます。

アイコンを装飾するには

アイコンも、文字と同様の方法で装飾できる

アイコンも、文字と同様の方法で装飾できる

冒頭でもご紹介した通り、ウェブフォントを使ってアイコンを表示すれば、普通の文字と同じように、CSSを使って装飾ができます。右図は、「旗」アイコンは緑色で大きく表示し、「錠」アイコンは赤色で小さく表示しています。

CSSのcolorプロパティで色を指定し、font-sizeプロパティで大きさを指定するだけです。具体的な記述方法は、記事「アイコンをWebフォントで表示できる「Font Awesome」」の3ページ目の中程でもご紹介していますので、ご参照下さい。


 

必要なアイコンデータだけを含んだ最小限のウェブフォントファイル

今回は、実際にウェブ上で使用するアイコンだけを含んだ、サイズの小さなフォントファイルを生成し、「アイコン表示用ウェブフォント」として使用する方法をご紹介致しました。 ブロードバンド回線が普及したとはいえ、ウェブページの読み込みにかかる待ち時間は、短いに越したことはありません。無駄を排したフォントファイルを使って、素早く読み込めるウェブページを作ってみて下さい。

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