例示用に使えるドメインには example.com などがある

説明用のサンプルとして、適当なURLやメールアドレスを書きたい場合があります。しかし、誰かが所有しているドメイン名を使ったURLやメールアドレスをサンプルとして書くのは望ましくありません。また、今は誰にも所有されていなくても、将来的には誰かに使われる可能性のあるドメイン名を使ってURLやメールアドレスを書くことも望ましくありません。

ドメインの中には、例示の目的に使える「example.com」などの専用ドメイン名が用意されていますから、サンプルを掲載する用途にはそれらの例示用ドメイン名を活用しましょう。

本記事では、URLやメールアドレスの例を掲載したい場合に例示用ドメインの使用をおすすめする理由(そうしないと困る理由)や、例示用ドメインの種類などを簡単にご紹介いたします。

【目次】
 

所有者のいるURLやメールアドレスを例にするのは避ける方が良い理由

文章中に、URLの例やメールアドレスの例を掲載したい場合があります。例えば「メールアドレス内にあるアットマークの右側がホスト名です」というような説明文では、文章だけでなく下図のようなメールアドレスの例も一緒に掲載できると分かりやすくなるでしょう。
 

説明用画像「hogehoge@allabout.co.jp」


しかし、このようなURLやメールアドレスの例を書く際に、実在するURL(=何らかのウェブページが存在するURL)や実在するメールアドレス(=使用者がいるメールアドレス)を使うのは望ましくありません。また、たとえURLやメールアドレスが誰にも使われていないものでも、誰かが所有しているドメイン名を使ってサンプルURLやサンプルメールアドレスを作るのは望ましくありません。その理由は次の通りです。

メールアドレスの例
所有者のいるメールアドレスを例として書いて公開してしまうと、迷惑メールの送信先として収集されてしまうかもしれません(※)。その場合は、実際の利用者に迷惑がかかるでしょう。また、読者がそのメールアドレスに問い合わせメールやテストメールなどを送ってしまうかもしれません。

誰も使っていないメールアドレスでも、第三者が所有しているドメイン名を使えば、そのダミーメールアドレス宛にメールが送られてしまうことで、そのドメインのメールサーバに余計な負荷をかけることになってしまうでしょう。

※なお、メールアドレスをそのままウェブ上に公開してしまうと迷惑メールが大量に届くようになってしまう点と、そのような迷惑メールを避けられるメールアドレスの公開方法については、記事「スパム対策をしてメールアドレスを公開する方法」でご紹介しています。

URLの例
自分が所有しているわけではないドメインを使ってURLを書くと、どんな内容のウェブサイトを指し示してしまうのかが分からなくなります。URLを書くだけではなくリンクもした場合には、リンク先が違法なサイトや危険なサイトになっていると(そのようなサイトへリンクしたという点で)自身も非難されてしまう可能性もあります。

今は問題ないように見えるウェブサイト(または現時点では何もウェブページのないURL)でも、後々に違法サイトに変化してしまう可能性がないとは言えません。

 

サンプルに使えるドメイン example.com の使用がおすすめ

そこで便利なのが、例示用として用意されたドメインです。例えば、例示用に使えるドメインの1つである「example.com」を使って先程掲載したメールアドレスの例を書くと、下図のようになります。
 

説明用画像「hogehoge@example.com」


このメールアドレスは(今も将来も)誰も使わないことが確実に決まっていますから誰にも迷惑はかかりません。また、ドメイン名になっている「example(例)」という単語を見ればすぐに、「サンプルとして書かれたダミーのメールアドレスだ」と分かります。

技術仕様に含まれている公式の例示用ドメイン
インターネットで利用される技術の標準規格を策定している組織「IETF」が公表している「RFC 2606」という技術仕様の中に、例示用として予約されているドメイン名についての記載があります。2ndレベルドメインとしては下記の3つのドメイン名が例示用として予約されています。
 
これらのドメイン名は、例示用ドメインであって誰も取得できないことが決まっているため、自由にサンプルとして活用しても誰にも迷惑はかかりません。個別の所有者や利用者はいないので webmaster@example.com や contact@example.com などのようなサンプルメールアドレスを書いても第三者に迷惑はかかりません。また、 https://abc.example.com/ のようなURLを書いても意図しないウェブサイトへ繋がってしまうことはありません。安心してサンプルとして使えるでしょう。

サンプルURLにアクセスした場合の表示
本稿執筆時点では、サブドメインなしのURLにアクセスした場合と、サブドメインに「www」を付加してアクセスした場合に限っては、下図のように例示ドメインであることを示す案内の英文が掲載されたウェブページが表示されました。
 
例示用ドメイン名の1つであるexample.comにブラウザでアクセスしてみた表示例(HTTPでもHTTPSでもアクセス可能)

例示用ドメイン名の1つであるexample.comにブラウザでアクセスしてみた表示例(HTTPでもHTTPSでもアクセス可能)


例えば hogehoge.example.com のように、サブドメインを使ったURLやメールアドレスを例として書いても問題ありませんが、(www以外の)サブドメインを使ったURLにブラウザでアクセスした場合には、上図のような例示用ページへはアクセスできず、どこにも繋がりません。

 

例示に使いがちなhogehogeやsample等のドメイン名には所有者がいる

何か適当な文字列を当てはめてほしい場合に使われるダミーの文字列には、いくつかの種類があります。日本語の文章内なら「○○」や「××」などの全角記号が使われることもありますが、URLやメールアドレスの例として使いたい場合には、記号ではなく適当な半角アルファベットを使って書いた方がそれらしく見えるでしょう。

英語環境では foo、bar などが意味のない単語として使われますが、日本語環境で使われる「意味のない英単語っぽい表現」には例えば hoge、hogehoge、fuga などがあります。これらはメタ構文変数とも呼ばれ、IT関連の文書でよく使われます。そのほか単に abc や xyz や aaa などを使う場合もあるでしょう。何にしても共通しているのは「特に意味があるわけではない/適当な文字列に置き換えて使って欲しい」ということを示している点です。

しかし、単語として意味がなくても、その名称を使ったドメイン名が取得されていないとは限りません。例えば本稿執筆時点では、hoge.com にも hogehoge.com にも所有者はいます。特に「Hoge」は英語圏では人名に使われている単語のようですから、そもそも「意味がない単語」ではありません。ですから、これらをドメイン名のサンプルとして使ってしまうと、正規の所有者に迷惑がかかってしまいます。

 

例示用ドメインを使ったURLのスペルミスに注意

先程ご紹介した技術仕様「RFC 2606」で用意されている例示用ドメイン名に使われている単語は、「example」であって「sample」ではないので注意が必要です。また、例示用ドメインに限った話ではありませんが、有名ドメイン名のスペルミス(入力ミス)を狙って危険なウェブサイトが運営されていることがありますので気をつけて下さい。

下図は、例示用ドメインのスペルを間違えて、うっかり「example」でも「sample」でもない中途半端なスペルを打ってしまった場合に見えたウェブサイトの例です。下図は、ブラウザ側の安全機能によってアクセスがブロックされたところなので、見えているのは警告画面だけです。このようなサイトにリンクしてしまうと、閲覧者を危険にさらしてしまう可能性があります。
 
よく使われるサンプル用ドメイン名のスペルミスを狙った危険なウェブサイトもある

よく使われるサンプル用ドメイン名のスペルミスを狙った危険なウェブサイトもある


 

取得されていないドメインなら例示に使って良いわけではない

現時点では誰にも取得されていないドメイン名でも、将来には誰かから取得されるかもしれません。今使われていないからといって、適当なドメインをサンプルに使うのは避けましょう。

また、Webサイトにアクセスできないからといって、そのドメインが誰にも取得されていないとは限りません。 「ドメインは取得したが、対応するWebサーバはまだ用意していない」という状態もあります。

なお、「.com」や「.net」のようなTLD(トップレベルドメイン)を適当に考えれば例示に使えるのではないかと思われるかもしれません。しかし、TLDの種類も少しずつ増えてきています。例えば、本記事の初版を公開した時点では「.xyz」というTLDは存在しませんでしたが、今では存在します(2014年に追加されました)。適当に考えたTLDを使うのも避けましょう。

 

URLやメールアドレスの例にも使える例示用ドメインは複数ある

上記でご紹介したように、URLやメールアドレスの例として何らかのドメイン名を使いたい場合は、example.comを使えば充分でしょう。しかし、日本のドメイン名だと明示できる例を書きたい場合には、example.comよりも日本のccTLD(国別コードTLD)である「.jp」を使って例を書いた方が望ましいかもしれません。日本のJPドメインにも、例示用として予約されたドメイン名があります。

日本の例示用ドメイン名:
日本の汎用JPドメインには、例示用に使えるドメイン名として「example.jp」が用意されています。日本のドメインを管理している日本レジストリサービス(JPRS)のFAQによると、2ndレベルに「example」を使ったドメイン(汎用JPドメイン名)や、3rdレベルに「example」を使ったドメイン(属性型JPドメイン名)は例示用に使えるとのことです。

例:
  • example.jp
  • example.co.jp
  • example.ne.jp

また、「example」の後に1桁の数字(0~9)を付けたドメイン名も例示として使えます。複数のドメインにまたがる話を例として書きたい場合に便利そうです。

例:
  • example1.jp
  • example2.co.jp
  • example3.ne.jp

特に日本のウェブサイトやメールアドレスであることを示した例を書きたい場合や、日本の会社サイトであることを示した例を書きたい場合などには、これらの例示用JPドメイン名を使うと分かりやすいでしょう。

例示用のTLDもある:
これまでにご紹介した例はすべて、2ndレベルドメインを使った例示用ドメインでしたが、TLDにも例示用として用意された「.example」ドメインがあります。

例えば、URLのサンプルとして http://www.hogehoge.example/ のように書いたり、メールアドレスのサンプルとして webmaster@hogehoge.example のように書いたりすることもできます。ただ、「hogehoge.example」と書いただけでは、それがドメイン名を示しているとはイマイチ分かりにくいかもしれません。

 

サンプルドメインだと分かりやすい example.com がおすすめ

今回は、説明用のサンプルとして適当なURLやメールアドレスを書きたい場合に使える、例示用ドメインをご紹介いたしました。サンプルを書く際には適当に考えたドメインを使わずに、例示用として用意されているドメインを使うようにしましょう。

特に「example.com」を使うのがおすすめです。例というのは分かりやすければ分かりやすいほど望ましいのですから、多くの人々に「ドメインだ」とすぐに分かってもらえる「.com」が使われており、なおかつ「例」という意味の単語「example」が使われている「example.com」が最も分かりやすいでしょうから。

 
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