皆さんが家庭菜園を行うことで、地域や環境へのさまざまな貢献にもつながるということを、ご存知でしたか? 自分の手で野菜を育てることが、どんな貢献につながるのか? 具体的な事例を紹介していきましょう。

フード・マイレージ

フードマイレージに対する意識はまだ薄い

フードマイレージに対する意識はまだ薄い

フード・マイレージとは、「食料の (= food) 輸送距離 (= mileage) 」という意味。食品の生産地と消費地が遠ければ遠いほど、輸送にかかるエネルギーが大きくなり、環境への負荷が大きくなるという考え方です。農林水産省の 2001年の試算によると、日本のフード・マイレージは総量では世界中で群を抜いて大きく、国民ひとり当たりでも1位であるといわれています。これを解消するために、最近、「地産地消」が推奨されているのですが、家庭菜園は究極の地産地消とも言えますよね。

耕作放棄地の有効活用

「耕作放棄地」という言葉を耳にしたことはありますか? さまざまな理由から「耕作が放棄された農地」のことを言います。このような土地は、荒廃し、雑草が生い茂り、周囲の農地に良くない影響を与えてしまったり、土壌の浸食や景観の悪化など、様々な問題が派生してしまうことが指摘されていますが、近年、急激にその面積が増えてきたため、この問題がクローズアップされるようになってきています。

最近、このような放棄地を、市民農園やクラインガルテンとして、市民に貸し出す活動をする自治体や団体があらわれてきました。私たちが市民農園として活用し、収穫を楽しむことで、地域の土地が荒廃していくのを食い止めることにつながります。

最近都市部で増えている空き地の有効利用の手段としても、貸し菜園が注目され、実際にそのような事業をはじめている会社もあります。こういった貸し菜園を利用することで、都市の緑地面積を増やし、景観を良くすることに一役買うこともできそうです。

食べるものを育てることで学べること

カリフォルニア州の荒廃した学校を舞台に実践された学校菜園の記録『食育菜園 エディブルスクールヤード』という本に、こんなことが書いてあります。
「スクールガーデンをカリキュラムの一部にすれば、たとえば食物循環について学んだり、自然の食物循環を種蒔き、栽培、収穫、堆肥化、再生利用のサイクルに組み入れて観察することができます。こうした教育のやり方を通して、私たちはガーデン全体がより大きなシステムに組み込まれていること、その大きなシステムもまた、それ自体のサイクルをもつ生きたネットワークであることを学びます。」
この「スクールガーデン」という言葉を「家庭菜園」に置き換えれば、そのまま野菜作りを楽しんでいる私たちに当てはまります。「教育」というと、子供を対象にしたものととらえがちですが、家庭菜園は私たち大人もおおいに感じ、学ぶことのできるフィールドなのです。

さまざまな困難と向き合いながら、最後に、オイシイ瞬間が待っている家庭菜園。楽しみながら野菜を育てることで、自然といろいろなことを学び、いつの間にか地域や環境へ貢献にもつながっている。それが、家庭菜園の良さだともいえます。


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