デジタルカメラ/デジタルカメラの基礎知識

ミラーレスとは? なぜカメラにミラーが必要なのか?

ミラーレスデジカメのミラーレスとは何か? カメラの構造と歴史を分かりやすいイラスト入りで解説。ミラーレスと一眼レフのメリットを理解しよう。

ゴン 川野

執筆者:ゴン 川野

デジタルカメラガイド

ミラーレスとは? なぜカメラにミラーが必要なのか

みなさんはミラーレスデジカメのミラーレスとは何かと疑問に思ったことはないでしょうか。なぜ、カメラの中にミラーがあるのか。それを知るにはカメラの仕組みを知る必要があります。仕組みと言っても概念的なことなので簡単です。分かりやすくイラストを交えて、ご説明しましょう。


ファインダーの役割とは

カメラに最低限、必要な機能とは何でしょうか? 光を集めるレンズ、その光を受けて感光するフィルム、フィルムに適切な量の光を当てるためのシャッターと絞りが必要不可欠です。フィルムは光が当たると感光して真っ黒になるため、必要な時以外は光を当てないための暗箱、つまりカメラのボディも必要です。

これ以外にも大切な装置があります。それはファインダーです。ファインダーとは枠です。撮影する被写体がどの範囲まで写るのか、それを知るための目安の枠をファインダーと呼びます。初期の頃のカメラのファインダーは、本当に金属でできた黒い枠でした。これをフレームファインダーと呼んでいます。現在でも水中撮影用のカメラに使われることがあります。これではあまりにも大雑把なので、改良されたのがブライトフレームファインダーです。これはファインダーをのぞくと、カメラのレンズの写る範囲を白い枠で示すというものです。

説明イラスト

フレームファインダーはカメラの外側の枠だった。レンジファインダーは距離計とファインダーを搭載した先進的なカメラのことを示す



ライカが完成させたレンジファインダー

ブライトフレームファインダー式のカメラはピントを目測で合わせていました。レンズの鏡胴に1m、3m、5mなどの目盛があり、これを回して撮影距離を決めます。もっと正確に距離を決めるために搭載されたのが、距離計です。例えば二重像合致式と呼ばれる距離計は二重に見える像が重なるようにダイヤルを回すと距離が表示されるので、それを見てレンズのピントの数字を合わせます。オールドカメラはファインダーと距離計が別々だったのその操作は非常に面倒でした。これを1つにまとめたのが『LEICA(ライカ) M3』です。ファインダーの中央に距離計像が見えるようにしたのです。このような距離計付きのカメラをレンジファインダーカメラと呼んでいます。

説明イラスト

LEICA M3のファインダー。左の2つが距離計でここから入った光は右端のファインダーの中央に合成され表示された。このファインダーは最短距離1mの時でも視野率100%で、パララックスも自動的に補正された。他のカメラはこの構造を遂に真似できなかった


次のページで二眼レフについて説明しましょう
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