デジタルカメラ/デジタルカメラの基礎知識

ミラーレスとは? なぜカメラにミラーが必要なのか?(2ページ目)

ミラーレスデジカメのミラーレスとは何か? カメラの構造と歴史を分かりやすいイラスト入りで解説。ミラーレスと一眼レフのメリットを理解しよう。

ゴン 川野

執筆者:ゴン 川野

デジタルカメラガイド


二眼レフはなぜレンズが2つあるのか

『LEICA M3』はレンズを交換すると自動的に、そのレンズの画角にあったブライトフレームを表示する巧妙な仕組みを内蔵していました。しかし、一般のレンジファインダーはレンズ交換ごとに、そのレンズの画角が見られる光学式のファインダーを取り付ける必要がありました。これはとても不便です。

そんな面倒を解決する手段として生まれたのが二眼レフカメラです。二眼レフカメラは下に撮影専用レンズをそして上にピントと画角を知るためのレンズを搭載しています。上のレンズの光はカメラ内部にあるミラーによって90度曲げられて真上にあるピントグラスで見られるようになっています。上下のレンズのピントリングは連動式になっているので、上でピント合わせれば、それが下のレンズに伝えられます。こうしてカメラの中にミラーが入ったのです。二眼レフの正式名称は、二眼レフレックスカメラです。レフレックスは反射という意味です。

説明イラスト

二眼レフカメラには2個のレンズがあり、レンズ交換は2個同時という贅沢なカメラだった



一眼レフの誕生

二眼レフカメラをのぞいたことのある人に分かるはずですが、左右が反転しています。これはとても不便です。さらに近くの被写体を撮影する時にパララックスという現象がおきて、ファインダー見た範囲と写真に写る範囲がずれます。なによりレンズ交換が2個同時というのが不経済です。

そこで生まれたのが一眼レフです。一眼レフは二眼レフと同様にレンズの後ろにミラーがあって、これで反射した光をペンタプリズムに導きます。プリズムの役割は光を反転させて左右逆像を正像に戻すことです。このままではフィルムに光が届かないので、シャッターを押す寸前にミラーが上に跳ね上がって、その奥にあるフィルムにレンズの光が届くような仕組みになっています。シャッターが押された後は自動的にミラーが降りてきて、またファインダーの像が見えます。これをクイックリターンミラーと呼びます。

一眼レフの誕生によって、レンジファインダーカメラの距離計では対応できなかった超望遠レンズが使えるようになりました。また、視野率100%が実現したため、二眼レフで問題になったパララックスがなくなり、マクロ撮影でも撮影範囲がずれる心配がなくなりました。カメラのレンズの明るさが、そのままファインダーの明るさになるため、暗い室内でピントを合わせるには、開放絞り値の明るい大口径レンズが必要不可欠になってきました。

説明イラスト

一眼レフカメラはレンズの光を直接、見ることができる画期的な方式だった


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