テクノポップ/アーティストインタヴュー

(鈴木慶一+KERA)X新生ナゴム=No Lie-Sense(7ページ目)

ナゴムレコード30周年! 新生ナゴムレコードからの第1弾アーティストとして、No Lie-Senseが『First Suicide Note』を11月6日にリリース。No Lie-Senseは、秩父山バンド以来となる鈴木慶一さんとKERAさんのユニット。ユニット結成、レーベル再始動、製作中の話、そして昔話までお二人に語り尽くして頂きました。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

ヤマアラシとその他の変種

ガイド:
その後、慶一さんとKERAさんがタッグを組んだものというと?

鈴木:
yamaarashi

ヤマアラシとその他の変種

『ヤマアラシとその他の変種』(90年)が、音楽監督、音響効果監督含めてガップリとね。

ヤマアラシとその他の変種 (amazon.co.jp)

 
KERA:
やってもらった作業の半分は音効さんですよね。

鈴木:
俺は子供の時、音効さんになりたかったから、これはおもしれえぞと。ゲロの音を命懸けで、気合で作りましたよ(笑)。だってそのコントが、お好み焼き作っててゲロを焼くんだから(笑)。ゲロのボタッていう音を、ティッシュや脱脂綿使ったりして色々作って。あれは面白かったな。リコーダー吹いて走って逃げる少年の物語があって。

KERA:
吉田戦車さんが脚本を書いて、キッチュ(松尾貴史)さんが演じたやつですね。
鈴木:最初、リコーダー吹いてる少年を走らせたらさ、いなくなっちゃうわけだよ。左から右に。それでハッて気づいた。これは映像として録らないと。ようするに、それだとカメラが動かないでいるわけじゃん?カメラが動いている感じにするには、リコーダー吹く少年をセンターに置いて背景の音を流さないと、リコーダー吹いてる本人が消え去っちゃう。とかね。あれはひじょうに楽しい作業でしたよ。で、KERAはほとんどいないんだよ。できあがってきたコントを聴きつつ、それに音効さんが音をはめていくわけだよ。材木が流れてきてゴツンという音とかを(笑)。

KERA:
あの時ね、有頂天のラストアルバム『でっかち』のレコーディングをいくつか隣のスタジオで並行してやってて。まあ、にしてもひどい話ですよ。慶一さんに「今日、幸宏さん来るならハモリ入れといてください」みたいな(笑)。何様だ(笑)。最近、幸宏さんにもTwitterで謝ったんですけどね。「本当に失礼しました、若造が」と。

ガイド:
二人の笑いのツボが合ったから、作業がしやすかったんですかね?

KERA:
お笑い好きな人は多いんだけど、本業っていうか、命懸けでやってる人にしてみると、「好きったって…」っていう事も多いんですよ。でも慶一さんは本物な感じがする。

鈴木:
映画の説明、俺下手なんだけど、ここが面白いんだよっていうとこだけ覚えてて。例えば『バンデットQ』で一番面白いシーンは何かというと、小人が檻から脱出するところだよ。そこが最高だよ。

KERA:

ロックの人って、「俺さ、コメディとか大好きで」みたいな人が多いんですけど、大抵ダメなんだよね(笑)。大抵表層的なオヤジギャグっていうか。ちょっと捻ると、もう分かんないっていう。モンティ・パイソンは一つの踏み絵ですね。
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