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ドラクエを無料で100万人に配るわけ(3ページ目)

ドラゴンクエストが無料でダウンロードできてしまう、そんな驚きのニュースがありました。スクウェア・エニックスはiOSやAndroid向けに通常は500円の「ドラゴンクエストI」のゲームアプリを100万人限定で無料配信しています。なんでそんなに大盤振る舞いをしているのでしょうか?

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

旅の扉を開いたスクウェア・エニックス

ドラクエIIIの図

今後リリースされるモバイル端末向けドラクエシリーズを売っていく為の、入り口を一気に作る作戦です(イラスト 橋本モチチ)

配信日の2013年11月28日、AppStoreにおける無料アプリランキングのトップは、言うまでも無くドラゴンクエストポータルアプリです。100万人無料配布という分かりやすいニュースは一気にユーザーに浸透しましたし、冒頭申し上げた通り、ドラクエIをガッツリプレイしたい人だけでなく、懐かしくて記念にダウンロードしてしまった、なんていう人もたくさんいたことでしょう。1位を獲得することによって、さらにドラゴンクエストポータルアプリは多くの人の目に触れ、ダウンロードされる機会を得ます。そしてこのアプリは、各ユーザーのスマートフォンに、あらゆるドラゴンクエスト情報の入り口を作るのです。

スクウェア・エニックスにしてみれば、もちろんドラクエIを遊んでくれて、面白いと思ってくれればそれが1番ではあるでしょうけど、なんならドラクエIを遊んでくれなかったとしても、ドラゴンクエストポータルアプリをダウンロードしてもらうだけで大きな意味があります。ドラクエシリーズは今後、「ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君」までのドラクエシリーズ本編各タイトルや、モバイル端末向けのドラゴンクエストモンスターズシリーズ新作「ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト」を配信予定です。今回のドラクエI無料配布は、これらをマーケティングする土壌を一気につくり上げる、という作戦なわけです。

ドラクエ的に言うのであれば、様々なドラクエの世界へいざなう旅の扉を各ユーザーのスマートフォンに開いた、というわけです。

セガがゲーム会社44社と提携し、さらにはニコニコ動画を運営するドワンゴとも協力体制を敷いて、スマートフォン向けゲームのユーザーを囲い込む仕組みを推進するなど、スマートフォン向けのゲームでどうマーケティングし、ユーザーを獲得していくかは、ゲームメーカーの重要課題となっています。

そういう意味でも、今回のスクウェア・エニックスの試みがどの程度うまくいって効果を発揮するのか、注目したいところです。

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