「紫雲膏」はどんな人・どんな症状にいいの?
赤紫色の正体は、古代は染料にも用いられていたムラサキの根である紫根
「紫雲膏」の効果
ひび、あかぎれ、湿疹、しもやけ、あせも、魚の目、ただれ、外傷、やけど、虫刺されなどに。痔、わきが、水虫、脱肛などにも応用できます。「紫雲膏」に入っているもの
紫根(ムラサキの根。硬紫根)、当帰(セリ科の根)、ゴマ油、蜜ロウ、豚脂。「紫雲膏」が合わない人
分泌物が多くて化膿していたり、年月が経っている患部には不向きです。なお、赤紫色をしているので(すぐに皮膚に吸収されますが)、塗布した直後には衣服や別の箇所につかないよう、気をつけるといいでしょう。豚の脂が配合されているため、独特なにおいがしますが、気にならない人も多いようです。「紫雲膏」の副作用
体質や症状に合わない、西洋薬との併用、アレルギー体質など場合、不快な症状や副作用が出る場合があります。ちょっとおかしいな、と思ったらすぐ服用をやめ、漢方の専門家や処方してくれた医師に相談しましょう。「紫雲膏」が買える場所
漢方薬局や病院、診療所、ドラッグストアなどです。代表的な発売元:(アイウエオ順)
ウチダ和漢薬、クラシエ薬品、小太郎漢方製薬、松浦漢方、山本漢方製薬など。
「紫雲膏」に配合されている生薬の効能
解熱、殺菌、消炎作用のある紫根と、血行促進、鎮痛、潤肌作用のある当帰の成分を、ゴマ油、蜜ロウ、豚脂とあわせて作った軟膏です。とくに紫根は肉芽形成作用を促すとされ、傷口の治りを早めて肌をなめらかにする効果が期待できます。「紫雲膏」のおまけのエピソード
世界で初めて乳がんに全身麻酔を用いた華岡青州という外科医が、「潤肌膏」に豚油を加えて作ったものが紫雲膏です。つまりこの軟膏は日本生まれの漢方といえます。このように日本でアレンジされた漢方薬でメジャーなものもありますが、手作りできる漢方というのもひとつの魅力です。美しい発色や酸化しにくい良質な軟膏を作るにはコツがあるので、作り方はここでは省略しますが、興味のある方はネットで調べるといろいろ出てくるので、チャレンジしてみてもいいかもしれません。
ちなみに、やけどや切り傷の絶えない我が家には、皮膚炎の万能薬として常備しています。漢方ガイドの欲目もありますが、すぐに患部に擦り込めば跡も残りにくいので、美容の面でもオススメですよ。