「行事育」五つの力:心豊かになる

「行事育」は、風流を解する心、万物を慈しみ思いやる心、「お陰さま」の心、道徳心などを育んでくれます

「行事育」は、風流を解する心、万物を慈しみ思いやる心、「お陰さま」の心、道徳心などを育んでくれます

心には様々な要素がありますが、「行事育」は日本人としての心を育ててくれます。

代表的なのは、風流を解する心。日本の行事は自然や季節を取り込みながら成立しているため、それぞれの行事が季節の風物詩となっており、日本人の細やかな感性を育む土壌になってきました。ですから、行事にふれると感受性も豊かになり、風流、風情、風雅といった情緒を解するようになっていくわけです。

また、万物を慈しみ思いやる心も育ちます。日本の行事は幸せを願う気持ちを形にしたもので、さまざまな物事に思いを託してきました。たとえば、七草粥には無病息災を願う気持ちが込められているから、これは単なるお粥ではなく、愛情のこもった料理として心と体を満たします。思いを託すのも、それを読み取るのも、心。万物を慈しみ思いやる心が乏しいと、情が交わせぬ寂しい人生になりがちなので、小さいころから心を交わす文化にたくさんふれておきましょう。これは、日本人の得意とするおもてなしの心にも通じます。

さらに特徴的なのが、「お陰さま」の心です。日本の行事には感謝と祈りが込められています。多くの場合は神様、仏様、ご先祖様が対象になりますが、これらは自分たちを陰で支えてくださっているものの象徴であり、実際には見えなくても日本人の心には存在しているので、見えないものに対しても「お陰さまで」と感謝して、祈りを捧げることができるわけです。日本文化の根底には、陰と陽=相対的なものが影響して物事が成立しているという考え方があるのですが、「お陰さま」は子どもでもわかるやさしい教えといえるでしょう。
こうしたことは、宗教云々や理屈とはまた違う日本人の心といえますし、日常で身についていくものです。昔からよくいわれている「お天道様が見ている」、「天国で見守ってくれている」といった感覚にも通じ、道徳心にも繋がります。

子どものころに感じたこと、親に教えられたことは心に深く刻みこまれます。「行事育」を楽しんでいるうちに日本人としての心が磨かれ、心豊かになっていくでしょう。