「頭が痛い」時など、病気に備えるドイツ語……どの科で診察?
外国では特に体調管理にご注意を
Allgemeinmedizin (アルゲマインメディツィーン/一般医学)
Innere Medizin (インネレ メディツィーン/内科)
Frauenheilkunde (フラウエンハイルクンデ/婦人科)
Kinderheilkunde (キンダーハイルクンデ/小児科)
Orthopädie (オルトペディー/整形外科)
Augenheilkunde (アウゲンハイルクンデ/眼科)
Chirurgie (ヒルルギー/外科)
Psychiatrie (プシヒャテリー/精神科)
Zahnheilkunde (ツァーンハイルクンデ/歯科)
それぞれの科の医師はArzt(アールツト/医者)ないしÄrztin(エールツティン/女医)を用いて、例えば男の一般医であればArzt für Allgemeinmedizin(アールツト フューア アルゲマインメディツィーン)ないしAllgemeinarzt(アルゲマインアルツト)と名乗ります。ちなみにドイツ語ではDoktor(ドクトーア)は「博士」一般を指す肩書きで、特に医者を意味するものではありません。
症状を簡潔に伝える表現
診療所では、まず症状を伝えなければいけません。気分が悪い際は、Mir ist übel. (ミア イスト ユーベル/気分が悪いです)
Ich habe mich erbrochen. (イッヒ ハーベ ミッヒ エアブロッヒェン/嘔吐しました)
といった基本表現で。
痛い箇所を伝える際は、Schmerzen(シュメルツェン/痛み)を用います。Kopfschmerzen(コップフシュメルツェン/頭痛)、Bauchschmerzen(バオホシュメルツェン/腹痛)、Zahnschmerzen(ツァーンシュメルツェン/歯痛)といった具合に応用可能。注意が必要なのは扁桃腺炎等による「喉の痛み」で、ドイツ語ではHalsschmerzen(ハルスシュメルツェン)、つまりHals(首)の痛みとなります。
で、「頭痛がします」だと、
Ich habe Kopfschmerzen. (イッヒ ハーベ コップフシュメルツェン)
あるいは、3格目的語+weh tun(~が痛む)を用いて、
Der Kopf tut mir weh. (デア コップフ トゥット ミア ヴェー)
といった表現で伝えることも出来ます。
Ich habe ...(私は~を持っています)による表現は、「頭痛を持っています」のように発想の上で日本語とずれたものですが、
Ich habe Fieber. (イッヒ ハーベ フィーバー/熱があります)
Ich habe keinen Appetit. (イッヒ ハーベ カイネン アペティート/食欲がありません)
Ich habe eine Allergie. (イッヒ ハーベ アイネ アラギー/アレルギー体質です)
といった風に、様々な状況で活用可能です。
知っておきたい、色んなスライム
ドイツ語医療語は、病人にも優しい分かりやすさ
風邪はドイツではErkältung(エアケルトゥング)と称されます。kalt(カルト/冷たい)からの表現なので分かりやすいでしょう。鼻風邪だとSchnupfen(シュヌップフェン)。インフルエンザはGrippe(グリッペ)といい、フランス語のgrippe(気まぐれ)を借用した語。この病気が突然脈絡無く襲ってくることからの命名です。
お腹の具合が悪い時のために、Durchfall(ドゥルヒファル/下痢)やVerstopfung(フェアシュトップフング/便秘)も覚えておきたいところ。英語ではそれぞれギリシャ語由来のdiarrhea、ラテン語由来のconstipationであるのに対し、こちらは日常語に基づく分かりやすい表現です。ちなみに医療用語での大便はStuhl(シュトゥール)。「椅子」を転用した術語で、Stuhlgang(シュトゥールガング)で便通の意になります。尿はUrin(ウリーン)です。
血のBlut(ブルート)も、英語のbloodと似ていて分かりやすいでしょう。血圧はBlutdruck(ブルートドゥルック)。また、注射はSpritze(シュプリッツェ)といい、英語のsprayに当たるspritzen(液体を噴射する)による語です。
もう一つ、覚えておくと便利なのがSchleim(シュライム)という単語。ドラクエ等でお馴染みの「スライム」なわけですが、医学用語では痰等の粘液を指します。Nasenschleim(鼻のスライム)で鼻水、Augenschleim(目のスライム)で目やにの意に。Schleimhaut(スライム肌)とは粘膜のことで、Schleimhautentzündung(シュライムハオトエントツュンヅング)で口内炎などの粘膜の炎症を指します。
良い回復を!
さて診療が済めばたいていRezept(レツェプト/処方箋)をもらい、Apotheke(アポテーケ/薬局)を訪れMedikament(メディカメント/薬)を購入することになります。もちろん薬局へは特に医者の処方箋がなくとも、自分で行ってかまいません。その際はもちろん、Ich hätte gern ein Medikament gegen Durchfall.
(イッヒ ヘッテ ゲルン アイン メディカメント ゲーゲン ドゥルヒファル/
下痢止めの薬を頂きたいのですが)
のように、Medikament gegen ...(~用の薬)と指定して購入する必要があります。
最後に、友人や知人が病気をした際は、こう声をかけましょう。
Gute Besserung! (グーテ ベッセルング!/お大事に!)
Besserungはgut(グート/良い)の比較級besserが名詞化されたもので、改善・回復を意味します。もう一つ、Gesundheit!(ゲズントハイト)という「お大事に!」もありますが、こちらはくしゃみをした相手に向けて言う、「健康」を祈るという決まり文句です。
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