注文住宅/女性視点の家づくり

震災後、スロー化する住宅~緑(2ページ目)

震災後の住宅観の変化としての「スロー化」の連載。前回は、住宅の外にある庭や緑とつながる「窓」について取り上げましたが、ここにきて「住まいの中に気軽に緑を取り入れる」動きも改めてみられるようになっています。

河名 紀子

執筆者:河名 紀子

家づくりトレンド情報ガイド


ハウスメーカーとして提供できる価値を考えた

旭化成ホームズの属する旭化成グループは中期経営計画で3つの「これからプロジェクト」を掲げ、うち一つ「住・くらしプロジェクト」において、今回の栽培キットを開発。2011年末に建設された実証棟HH2015での研究テーマの一つ、「食への安心や食育」において、暮らしを豊かにするための一つの仕掛けが「水耕栽培」というわけのようです。

会見2

「ハウスメーカーだからわかる緑の意味を考えた」と担当者

発表会見場で同社は「こうした栽培キットは既にいくらでも専門開発しているメーカーさんがあるが、我々は今回、ハウスメーカーとして提供できる価値は何かを重視して開発した」と説明。住宅を家庭内で植物を生産する工場としてよりも、むしろ育てることの愉しみや愛着、コミュニケーションや笑顔といった、栽培から生まれる価値観のほうを重視したそうです。

以下はガイドが個人的に関心をもっているキーワードで切りながら、ポイント紹介してみます。

◆エコ…LEDライト付きでほのかな光のインテリアにもなる置き植物。1か月の電気代も80円。
◆オシャレ…デザインコンペでも評価されたインテリア性。
◆一石多鳥…部屋のインテリアに。子どもとの食育や家族のコミュンケーションに。毎日の食材に。
◆ポータブル…ダイニングテーブルやリビングやキッチンなどどこでも動かせる。当初はキッチンや壁の埋め込みなども考えたそうだが、よりコミュニケーションを誘発する目的でポータブル化。
◆手間いらず…お手入れは週1回のみ。40日で収穫可能。室内で育てるので虫もつきにくい。
◆ストーリー性…ヘーベルハウスオーナーに配布して楽しむ日常を収集。

イメージ

緑のある卓上イメージ

さらに、これもガイドの個人的見方ですが、新築予備軍だけに訴求するのでなく、既存住宅やマンション居住者などに広く「緑と絆のインテリア」を楽しんでもらうことを提供しているあたりが、同社らしいと思いました。

販売チャネルは、ヘーベルオーナー30万世帯のほか、公式直販サイト、アマゾンなどの通販や店舗販売も予定しているとか。培養液など追加購買は公式サイトから可能。

マイホームを買うことで増える笑顔はもちろんのこと、日々手軽に小さな緑を育てる笑顔が増えていくのもいいですね。
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