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缶詰にヒスタミン? ヒスタミンが多いとどうなるの?

カツオ缶詰から自主基準を超えるヒスタミンが検出され、回収されるという報道がありました。缶詰からヒスタミン? と思われた方も多いのではないでしょうか。今回は健康被害はみられませんが、ヒスタミン中毒や家庭で気をつけるポイントをご紹介します。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド

わずかながら毎年ヒスタミン中毒は発生する

2013年10月11日、はごろもフーズは、缶詰「シーチキン マイルド」から、アレルギー症状を引き起こす物質「ヒスタミン」が検出されたため、同シリーズの3商品、計約672万個の回収を始めたと発表されました。消費者から「口の中のかゆみや違和感をがある」という申し出があり、検査した結果、社内基準値を上回るヒスタミンを検出したということです。

赤身魚,加工品,ヒスタミン

赤身魚の加工品なども、適切な処理が行われない場合、ヒスタミン濃度が高くなる可能性があります。(写真はイメージです)

これによる大きな健康被害はなくひと安心ですが、同社では大量の製品が回収される事態になりました。カツオ缶詰でなぜヒスタミンが? と思ったり、ヒスタミン中毒はよく知らないという方も多いのではないかと思います。

現在では衛生管理や低温流通が普及したことで、以前と比べると大規模なヒスタミン食中毒は少なく、また発症しても比較的症状が軽いので、大きな問題となることは見られません。しかし毎年ヒスタミンによる中毒例はわずかながら起きています。その原因や予防等についてご紹介します。
ヒスタミン中毒,発生

 


ヒスチジンからヒスタミンが生成される

ヒスタミンとは、アミノ酸の一種であるヒスチジンの誘導体です。人の体内にも存在し、体内へ侵入してきた病原体などを排除するために免疫系から放出される物質で、じんましんや鼻水などのアレルギー症状を起こす物質です。また神経伝達物質としての作用などもあります。

ヒスチジンは必須アミノ酸の一つで、特に乳幼児の成長に必要アミノ酸でもあり、魚介類などにもヒスチジンが含まれています。魚を常温で長時間放置する等といった不適切な管理が行われると、魚に付着していたヒスタミン産生原因菌 (モルガン菌やクレブシエラ・オキシトカ菌など)のもつヒスチジン脱炭酸酵素の働きによりヒスチジンからヒスタミンが生成されると考えられています。

遊離ヒスチジン含量は、白身魚では10mg/100gに対し、マグロ、カツオ、サバ、イワシ、アジなどの赤身魚では700~1800mg/100gと非常に高いことが知られています。ヒスチジンは、赤身魚やその加工品の他にもチーズやザワークラウトなどにもヒスタミン食中毒の報告があります。

また魚醤、ワインやビールなどのアルコール類、ソーセージやサラミ、味噌や納豆、チーズやキムチなどの発酵食品などにもヒスタミンが検出され、食中毒に関わる可能性があると示唆されています。
*チーズの場合の原因菌は乳酸菌で、その他にもいくつかの細菌が原因菌として報告されています。

根本的な原因は細菌なのですが、中毒の原因は産生されたヒスタミンなので、厚生労働省の統計ではヒスタミン食中毒は「化学性食中毒」に分類されます。

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