「田の字プラン」とは、マンションの間取りの基本!
田の字プランとは
外廊下型マンションとは、共用廊下が外部になっているマンションのこと。
外廊下型マンションにおいて多用されるのが今回ご紹介する「田の字(たのじ)プラン」です。この田の字プランこそ「マンションの間取りの基本」と言っても良いでしょう。
田の字プランとは
田の字プランの代表的な例をご紹介しましょう(【図1】)。共用の外廊下に面して中央に玄関があり、外廊下側の個室2室は玄関から伸びる廊下で左右に振り分けられています。また、住戸の真ん中に水回りが配置され、バルコニー側にはリビング・ダイニングと個室が並んで配置されています。リビング・ダイニングの隣は今回は洋室(3)としましたが、ここに和室がある間取りもスタンダードです。 【図2】では線を引いてみました。廊下と水回りによって、住戸の居室が上下左右に振り分けられた様子が「田」の字に似ていることから「田の字プラン」と呼ばれるようになりました。全住戸の日当たりを確保
先ほど田の字プランが多用されるマンションは「外廊下型」のマンションに多いと述べました。外廊下型のマンションの良い点は、全てのもしくは大部分の住戸を南向き(もしくは東向き)に設定できることです。例えばタワーマンションでは、そのアクセス形式上どうしても西向きや北向きの部屋ができてしまいます。マンションの水回りの位置
また「田の字プラン」は世の中に最も供給されている間取りなので「面白味がない」と捉えられることが多いようです。しかし合理的であり問題が少ないから普及しているとも考えられます。例えば田の字プランは住戸の中央に水回りが集まっており、隣り合う住戸も上下左右の住戸も同じような間取りのため、近隣間による水回りの騒音問題などが出にくい間取りといえます。風通し、プライバシー
一方、外廊下型マンションの田の字プランに共通する事項として、外廊下側の個室の窓のプライバシーの問題があります。外廊下は他の住人が行き来するので、そこに面している窓を開けにくいのです。この窓を開けられないと、バルコニー側から入ってきた風の抜け道がなく、住戸内の通風が期待できなくなります(【図3】)。 その解決方法として、外廊下に面した個室の前に光庭(ひかりにわ)という空間を取るなど、工夫をしているマンションもあります(【図4】)。光庭があれば外廊下と個室(今回は洋室1と2)の間にワンクッションあるのでプライバシー性が高くなり、窓を開けやすく、窓が開けられれば風の通り抜けも期待できます。人気のある妻住戸(つまじゅうこ)
先ほど外廊下型マンションは「面白味がないと思われがち」と書きましたが、妻(つま)住戸には面白いプランを見つけることができるでしょう。妻住戸とは住棟の両端に位置する住戸のことで、住戸が住棟の端にあるためバルコニー側、外廊下側、側面の3方に窓を設けることができます。そのため間取りのバリエーションもぐんと増え、住戸面積を広めに取り4LDKの間取りにするなど、他の住戸と差別化を図っているマンションもあります。【関連記事】
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