社会保険労務士試験/社会保険労務士とは

「社労士のダブルライセンス」は売上増につながるか?

ダブルライセンスを持っている社労士は多いものの、複数の資格をフルに活用できている人はあまりいないのが実情です。とはいえ、社労士と相性のよい資格であれば、使い方次第で事務所の売上増につなげることも可能です。

長友 秀樹

執筆者:長友 秀樹

社会保険労務士試験ガイド

行政書士とのダブルライセンス

社労士のダブルライセンスとして、最も相性が良いとされるのは行政書士でしょう。

社労士制度が発足した昭和40年代は、経過措置として行政書士は試験なしで社労士資格を取れたそうで、ベテランの社労士には行政書士も持っている方が結構います。

また、かつて行政書士試験は今より易しかったこともあり、同じ法律系資格ということで、資格を取った社労士も多いのでしょう(社労士は勉強好きが多いので)。

しかし、今や行政書士も簡単には合格できない資格ですので、これから資格取得を目指すには、相応の覚悟が必要です。

行政書士を取るメリットは、何といっても許認可や法人設立関係の手続きを自分でできるようになることです。

社労士として顧問先に飲食業や娯楽業、建設業などの会社があると、許認可関係の手続きニーズが多いでしょうし、創業や新会社設立のお客様がいれば、本業である労働・社会保険の新規適用手続きだけでなく、定款作成や登記関係の手続きも受注できるチャンスがあります。

ただし、「餅は餅屋」という言葉があるように、たとえダブルライセンスを持っていたとしても、他の士業の人達とは上手に協業関係を築いていた方が、長い目でみると良い結果につながることもあります。

中小企業診断士とのダブルライセンス

中小企業診断士とのダブルライセンスはハイレベルですが魅力的です。上手く使えば、下図のように、それぞれの資格の弱点をカバーし合うことができるかもしれません。

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社会保険労務士と中小企業診断士の比較


社労士も中小企業診断士も、仕事の内容は幅広く、一概に上図のような特徴があるとは言い切れませんが、理想としては、中小企業診断士として経営コンサルの仕事で顧客との関係を構築し、コンサル業務が終わったら、労務顧問で契約をつなぎ、その間にまた経営課題が生まれればコンサル契約を受注するといった流れです。

経営にも強い一部の社労士法人は既にこのような受注の流れを構築していて、価格競争に巻き込まれず付加価値の高い仕事をするには、目指したい理想像と言えます。

もっとも個人の社労士がここまでできるようになるには、相当のコンサルティング能力と営業力を身に付けなければなりませんが。
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