最終面接の決め手は「ベンプレやってます!」
多くの業界と接点を持ち始めたやなは、次第にさまざまな企業から選考通過の連絡を受けるようになる。彼女を評価してくれる会社は、実はIT業界以外にも数多くあったのだ。「金融や通信も今までまったく見ていませんでしたが、自分がやりたいと思えることはたくさんありました。あのまま一本道で突っ走らなくて良かったです」、
そう話していた。
実は他業界で、面接が通り始めた理由がもう1つあった。
私は彼女にIT業界以外にアプローチすることと合わせて、面接でのアドバイスも1つしていた。実は彼女の自己アピールの内容が以前から気になっていたのだ。
彼女は大学時代に福祉に関する研究をしてたので、それがアピールの中心になっていた。しかし私の彼女のイメージはどうも「福祉」という言葉の持つイメージとはかけ離れていた。交通費を節約するために、2社の説明会会場を電車を使わずに歩いてしまうほどの根性がある女子学生だ。しかし外見は細見で可愛らしいので、福祉のイメージだとどうしても「優しくて、少し頼りない印象」が先行してしまいがちだった。
そこで彼女にヒアリングしたところ、
(私)「あのさ~、やなはなんか過去にガチでスポーツとかしてこなかったの?」
(やな)「やってましたよ~、私高校時代バスケ部でしたから」
(私)「じゃあ、筋トレとかもしてただろ?」
(やな)「やってました、ベンプレ(ベンチプレス)とか普通に」
(私)「それだ!!!」
私は彼女に面接で必ず「ベンプレやってました」という一言をどこでも良いので必ず入れることをアドバイスした。ベンチプレスという正式名称ではなく、「ベンプレ」と玄人っぽく言うのがポイント。必ず可愛らしい外見とのギャップに驚かれると共に、彼女の力強い精神力や体力が伝わる1番良い方法だった。
きっとどの面接官も彼女がベンチプレスをやっているシーンは想像できなかったはずだ
業界は自分の志望だけで決めるわけではない。企業の選考での不合格も1つのヒントなのだ。そして自分のアピールポイントというのも、実は隠れたところに眠っていることも彼女の就活は教えてくれるのではないだろうか。