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【2026年(令和8年)】干支は午! 60年に1度の丙午(ひのえうま)と午・馬の豆知識

2026年(令和8年)は午年(うまどし)で、60年に1度の丙午(ひのえうま)です。そこで、十二支としての「午」の語源や午年の特徴、丙午とは何か、馬のつく言葉やことわざなどの豆知識をご紹介します。年賀状や新春の話題に活かしてください。

三浦 康子

三浦 康子

暮らしの歳時記 ガイド

和文化研究家、ライフコーディネーター。わかりやすい解説と洒落た提案が支持され、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、ウェブ、講演、商品企画などで活躍中。様々な文化プロジェクトに携わり、子育て世代に「行事育」を提唱している。著書、監修書多数。

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2026年・令和8年は午年(うまどし)、丙午(ひのえうま)

2026年・令和8年は午年(うまどし)、丙午(ひのえうま)

2026年(令和8年)は午年で、動物にあてはめると馬になります。また、60年に1度の丙午(ひのえうま)です。そこで、丙午や午と馬に関する豆知識をご紹介します。年賀状や新春の話題にご活用ください。
<目次>

注目される60年に1度の丙午(ひのえうま)とは

本来、干支は十干と十二支を組み合わせたものなので、2026年の干支は「丙午(ひのえうま)」となります。十干と十二支の組み合わせは60通りあるため、60年ごとに巡ってきます。

干支というと一般的には十二支のほうをさすため、2026年は午年といいますが、正しくは丙午です。
 
丙午が注目されがちなのは、「丙午の年に生まれた女性は気性が激しく、夫の命を縮める」「夫の運気を食い尽くす」といった迷信があるからです。この迷信の影響で、前回の丙午である1966年には出生数が約25%減少しました。

十二支としての午について

  • 十二支の7番目
  • 午の方位は南。「子午線」は、北を示す子と南を示す午に由来します
  • 午の刻は、昼の12時およびその前後2時間。そのため、昼の12時を「正午」といい、「午前」「午後」という言葉がうまれました
  • 午の月は陰暦五月

2026年の干支の「午」という字の成り立ち

「午」という漢字は、餅をつくときに使う「杵(きね)」の象形文字に由来しています。両人が杵で交互に餅をつくことから、陰陽が交差する十二支の7番目、陽の気が極まる時刻の正午を示すものとして「午」が用いられるようになりました。
 
中国伝来の十二支は、もともと植物が循環する様子を表しているので、十二支の7番目の、植物の成長が止まる段階に「午」が対応しています。植物が最盛期を迎えた後、成長が鈍化し、次の段階へ移行する準備をする時期を象徴しているのです。
 

2026年「丙午・午年」の特徴

2026年は丙午の年なので、万物を形成する要素とされる陰陽五行の「火」の要素を強く持っていると考えられており、情熱をもって行動し、冷静に判断することで、勢いのある年になるといわれています。

馬についての豆知識

馬は古くから軍用、運搬用、農耕用に使われ、乗馬用、競馬用としても飼育されてきました。
  • 立ったまま寝ますが、安全な場所であれば横になって寝ることもあります
  • 草食動物なので主に草を食べますが、甘いものが大好き。日本ではニンジンが大好物とされていますが、リンゴ、ハチミツ、角砂糖なども好物です
  • 馬の瞳孔は横長で、顔の左右に目がついているので、視野は350度に及びます。真後ろ以外は見渡すことができ、動くものに敏感に反応する習性があります。そのため、競走時には横や後ろの視野を遮ってレースに集中するようにしています。また、暗闇でも目が利きます
  • 競走馬でおなじみの「サラブレッド」は品種名で、純血という意味をもち、血統・家系のすぐれた人のたとえにも使われています
  • 「ポニー」は特定の品種をさすわけではなく、肩までの高さが147cm以下の馬の総称です
  • 神様が乗る神馬を奉納する習わしが、馬の絵を描いて代用する「絵馬」となり、板絵に願いごとを書いて奉納する「絵馬」の由来となっています
  • 革製品としても人気があり、有名な「コードバン」は馬のお尻の一部から採れる革のことです
  • 食用としても親しまれ、馬肉は空気にふれると桜色になることから、馬肉の俗称を「サクラ」といいます

馬にまつわることわざ、慣用句

馬にまつわる言葉はかなりたくさんあります。代表的なものを紹介します。

■人間万事塞翁が馬(にんげんばんじさいおうがうま/じんかんばんじさいおうがうま)
人生における幸不幸は予測しがたいということ。幸せが不幸に、不幸が幸せにいつ転じるかわからないのだから、安易に喜んだり悲しんだりするべきではないというたとえ。「塞翁が馬」ともいう。

あるとき、塞翁という老人の馬が逃げてしまったが(不幸)、まもなくその馬が優れた馬を連れて戻ってきたので人々が祝福した(幸)。ところが、老人の子がその馬から落馬して怪我をした(不幸)。しかし、怪我をしたおかげで、若者たちの多くが戦死したというのに、老人の子は兵役を免れて死なずにすんだ(幸)という故事から。

馬には乗ってみよ、人には添うてみよ
馬のよしあしは乗ってみないとわからないし、人のよしあしは親しく付き合ってみないとわからない。何事も経験してみないと本当のところはわからないということ。

馬の耳に念仏
馬に念仏を聞かせてもありがたみがわからないことから、人の意見や忠告を聞き流すだけで、少しも聞き入れようとしないことのたとえ。

馬の耳に風/馬耳東風
馬は耳に風を吹きつけても感じないことから、人の意見や忠告を聞き流し、少しも聞き入れようとしないことのたとえ。

馬を牛に乗り換える
速い馬を遅い牛に乗り換える意で、有利なものを捨てて不利なものに乗り換えることのたとえ。この反対は「牛を馬に乗り換える」。

■馬を鹿/鹿を指して馬となす
誤りを無理やり押し通そうとすること。白を黒と言い張ること。

秦の趙高という人が、自分の権勢がどれほどかを試すために鹿を「馬です」と言って幼少の皇帝に献上したが、皇帝が「これは鹿ではないのか」と側近達に尋ねたところ、趙高にこびへつらって「馬です」と答えたという故事から。

駑馬(どば)に鞭打つ
能力のない者に能力以上のことをさせようと叱咤すること。多くの場合、才能のない自分が精一杯努力することをへりくだって言う。駑馬とは、おそい馬やのろい馬のこと。

馬脚をあらわす
馬の脚を演じる役者がうっかり姿を現す様子から、隠していた本性や悪事が明らかになること。

名馬に癖あり
名馬といわれるほどの馬はどこか扱いにくい癖があるものなので、優れた才能を持った人は強い個性を持っているということ。

馬齢を重ねる
たいしたこともせず、無駄に年をとること。

馬肥ゆる
秋になって馬が肥えてたくましくなること。

■馬子にも衣装
どんな人でも身なりを整えれば立派に見えることのたとえ。

■馬が合う
気が合う。意気投合すること。

■馬の背を分ける
馬の背の片方に雨が降り、もう片方には降らないという意から、夕立などがある場所では降っているのに、ごく近い場所では降っていない様子をいう。

■馬の骨
素性のわからない者をあざけっていう言葉。中国で役に立たないものの代表に、小さすぎる鶏の肋骨と、大き過ぎて処分にも困る馬骨をあげたことに由来。

■生き馬の目を抜く
生きている馬の目ですら、さっと抜き取ってしまうの意から、すばしっこく人を出し抜き、ずるがしこくて抜け目がない、油断も隙もないことのたとえ。

■じゃじゃ馬
人になかなか慣れない暴れ馬。人の制御に従わない人。わがままで好き勝手に振る舞う女性のたとえ。

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