フィンランド/ヘルシンキの観光・お土産

フィンランドの作曲家シベリウスの関連スポット(2ページ目)

フィンランド出身の国民的作曲家として知られるジャン・シベリウス。日本にもシベリウスファンは多く、彼の住居やお墓が残っているアイノラは、とりわけ観光地としても人気があります。そのアイノラをはじめ、フィンランド各地に点在する、シベリウスの生涯にゆかりのある場所や関連スポットを一挙紹介します。

こばやし あやな

執筆者:こばやし あやな

フィンランドガイド

毎秋シベリウス音楽祭が開催される、ラハティの名高い木造ホール

ロビー

シベリウスホールのロビーは、まるで彼の愛した森の中のような雰囲気作りがなされている

ヘルシンキから列車で1時間弱の街ラハティに、2000年にオープンした巨大な木造ホール、シベリウスタロ(Sibeliustalo/シベリウスホール)。一面ガラス張りの壁から美しい湖畔が臨める、ロビーの柱や天井からは、シベリウスの音楽を語る上で欠かせないフィンランドの森の雰囲気が醸し出されています。ホール内の壁もすべて木板が敷き詰められていて、その柔らかく澄んだ独特の音響にはとても定評があります。

シベリウスタロは、イベントや講演会など多目的に利用される施設ですが、世界的に評価の高いラハティ交響楽団の本拠地として、夜には聴き応えのあるクラシックコンサートが開催されます。また毎年9月には、このラハティ交響楽団がシベリウス音楽祭を主催。数日間にわたってシベリウス・オンリーの魅力的なプログラムが上演され、世界中からシベリウスファンが詰めかけます。

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外観

湖の畔に建つ巨大なシベリウスホール

Sibeliustalo(シベリウスタロ/シベリウスホール)
住所:Ankkurikatu 7, 15140 Lahti
TEL:+358 600 39 3949(チケット予約)
アクセス:ヘルシンキ中央駅から快速列車に乗りLahti駅下車(約55分)、徒歩約30分またはタクシー約10分
ラハティ交響楽団(Sinfonia Lahti)公式サイト
シベリウス音楽祭(Sibeliusfestivaali)公式サイト

 

貴重な楽譜や資料、世界の楽器に出会えるトゥルクのシベリウス博物館

博物館

貴重な楽譜や自筆原稿などが所蔵されているシベリウス博物館

西の観光都市トゥルクの大聖堂のそばにあるシベリウス博物館(Sibelius-museo)には、彼が残した直筆譜や日記の断片、生前に愛用してた遺留品など、シベリウスの人生や思想に思いを馳せることのできる貴重な資料が展示されています。展示室は決して広くないものの、時代ごとの作風や暮らしぶりに関する説明も豊富で、ヘッドフォンで代表作の音源を聞きながらその歴史を追っていけるのも魅力です。また館内には、毎週水曜日の夜に室内楽コンサートが開かれる小ホールや、国内外の珍しい楽器コレクションを展示するコーナーもあり、広く楽しめる施設となっています。

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Sibeliusmuseo(シベリウス・ムセオ)
住所:Piispankatu 17, 20500 Turku
TEL:+358 2 2154 494
アクセス:ヘルシンキから長距離列車でTurku駅まで約2時間、マーケット広場から徒歩10分、市バス各線「Tuomiokirkko」下車徒歩3分
開館時間:火~日曜11:00~16:00(水曜コンサートは18:00~20:00)
休館日:月曜
入場料:4ユーロ(学生2ユーロ、18歳以下無料)、
水曜コンサートのチケットは10ユーロ(学生6ユーロ)

インパクトあるシベリウスの顔面モニュメントに出会える公園

シベリウス公園

気難しそうなシベリウスの表情が象られた、シベリウス公園の名物モニュメント

ヘルシンキ中心街からも程近い、海を見下ろす小高い丘にあるシベリウス公園では、2つの奇抜な金属製モニュメントが目に飛び込んできます。1つは、公園の名の由来にもなっているシベリウスの気難しさがよく表現された顔面彫刻、もう1つは森の樹をイメージさせるステンレスパイプの集合体。いずれも1967年に、彫刻家エイラ・ヒルトゥネンが手がけたものです。ロケーションもまた、フィンランドの自然の姿から着想を得た曲を多く作ったシベリウスに思いを馳せるのにぴったりな、穏やかで美しい公園です。

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■Sibeliuksen puisto(シベリウクセン・プイスト/シベリウス公園)
アクセス:トラム2,4,7,10「Töölön halli」下車徒歩10分

 

作曲活動にインスピレーションを与えた、コリ国立公園から眺める絶景

コリ

シベリウス以外にも多くの芸術家たちにインスピレーションを与えたコリ国立公園からの眺め

東フィンランドの都市ヨエンスーから、さらに70キロメートルほど北上した先にあるコリ国立公園は、最もフィンランドらしい景色の広がる場所として、その名が知られています。とりわけ、この国立公園の展望台から臨める、彼方まで続く森と湖の絶景にインスピレーションを受けて作品を生み出したフィンランド出身の芸術家はとても多く、シベリウスもまさにその一人。1909年、しばしの闘病生活を終えて交響曲4番を手がける直前に、東部カレリア地方を旅してコリ国立公園に立ち寄っている記録があり、生涯で最も素晴らしかった体験のひとつだったと後で振り返っています。国立公園内にはいくつかの散策ルートと展望台があり、現地でもらえる地図を頼りに自分にあった距離や難易度のハイキングを楽しむことができます。

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Kolin kansallispuisto(コリン・カンサッリスプイスト/コリ国立公園)
TEL:+358 205 64 5654 (ビジターセンター)
アクセス:ヘルシンキから長距離列車でJoensuu駅まで約4時間30分、ヨエンスーからシャトルタクシーで約1時間15分
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