空室対策に効果的なキャンペーン
3月は、賃貸住宅業界最大の繁忙期です。この一年に一度の大きな機会を逃すと、物件によっては、その後、なかなか空室が埋まらず、入居者募集は大苦戦を強いられます。最悪の場合は半年や10ヶ月といった長期空室になるおそれも。この時期の大家さんの行動・機敏な判断力こそが、その後1年間の賃貸住宅経営の鍵をにぎっているといっても過言ではありません。

今回から2回にわたり、繁忙期も後半戦の今、空室に悩んでおられる大家さんが「積極的にするべきこと」そして「注意しなければならないこと」を中心に、実例なども交えながら、お話ししたいと思います。

入居者向けのキャンペーンを企画しよう!

はじめに、「賃貸住宅業界最大の繁忙期」なのに入居者からの反響がなかなか順調に進まない、という大家さんへ、ひとつのヒントを差し上げます。

それは、「キャンペーン企画」です。

皆さんは、この最大の繁忙期に、不動産会社の多くが、厳しい入居者募集競争を勝ち抜くために、キャンペーンを企画している事をご存知でしょうか。

顧客ニーズによくマッチしたキャンペーン企画は、入居者獲得の決め手として効果を発揮するばかりか、不利な条件でなかなか決まらない物件を、演出次第では人気物件として甦らせることもあります。物件によっては、検討の価値はきわめて高いといえるでしょう。

ではどんなキャンペーン企画があるのでしょうか。現在よく行われているものを、ひととおりご紹介してみましょう。

賃料や初期費用などを安くおさえるキャンペーン企画

たとえば、最近多く目にするのが、「フリーレント」。

一定期間内に契約してくれた入居者に対して、入居後1ヶ月から3ヶ月程度、賃料をゼロにします。大家さんにとっては、この期間がそのまま空室期間と同等のものとなりますが、空室状態がいつまで続くのか大変不安なものであるのにくらべ、フリーレントは入居者の確保は決定しており、賃料無料期間が終われば通常どおり家賃が支払われるため、安心です。

賃貸条件の変更キャンペーンとして、広く行なわれているのが、「敷金ゼロ・礼金ゼロ」キャンペーンなど、入居時のまとまった費用をなるべく安くおさえ、入居を促進しようというものです。

もうひとつ、こんなアイデアも紹介しておきましょう。

それは「一定期間内の賃料低額化」です。たとえば、契約・入居後の一年間に限り賃料を減額します。フリーレントと似ていますが、やや違う点として物件のお試し期間としての色合いが備わっていることです。

たとえば、「駅から大変遠い」、「近くに便利なお店が無い」など、一見して大きなマイナス条件を抱え長く空室が続いている物件。でも実際に暮らしてみると……、「とても静かで環境が良い」など、マイナスを補って余りある別の良さが発見できるかもしれません。

そんな物件に、本来15万円の賃料であるところを12万円で住んでいただき、気に入っていただけたならば低額期間満了後には、本来の賃料で再契約していただく。もちろん、賃料が上がった時点で退去される可能性がありますが、物件を気に入っていただけた場合には引き続き住んでもらえる場合が多いものです。

注意点としては、賃料を低額化する期間については、入居者の納得をしっかりと得た上で、「定期借家契約」として、一般の賃貸借契約とは明確に別の扱いにすることです。これを忘れると、他の入居者から「うちより安くて不公平では」と疑問を呈されたり、本来の賃料での再契約の際、借地借家法に規定する賃料増額請求権の行使と解釈され、思わぬトラブルを招いたりするおそれがあります。

入居者にプレゼントを贈るキャンペーン企画

たとえば、テーマパークのチケット、人気の家庭用ゲーム機など多くの人に喜ばれそうな商品を準備する場合もありますが、タイムリーかつ入居者がこれから始める新しい住居での新生活を応援するものとして、地デジ対応型テレビなども喜ばれているようです。

また家具を部屋に備えておくのも新たに一人暮らしをはじめる学生や新社会人には好評です。さらに物件の特徴に合わせたプレゼントはどうでしょう。たとえば、ペット可・共生型マンションでの入居者プレゼントとして「空気清浄機」。あるいは駅から遠い物件の「自転車プレゼント」。

条件の似た競合物件との選択に入居希望者が迷った場合、これらキャンペーン企画は決定打として効果を発揮します。色々と工夫し、考えてみるのも、楽しいものです。

その他、キャンペーン企画以外の工夫としては、不動産会社へ大家さんから成約時のインセンティブ(報奨金)を約束し、競合物件に優先して自分の物を入居希望者へ紹介してもらう、などがあります。

キャンペーンの一覧を次のページにまとめましたので、ご覧になってください。

次は★入居者向けの新生活応援プレゼント・キャンペーン事例をご紹介します。