ユニークな販売戦略
まさに「待望の」という形容がぴたりとはまるコスメが発売されることになりました。それがあのSK-II MENです。2011年の韓国を端緒に香港、台湾、シンガポールなどアジア各国で続々とデビューを果たし、ようやく日本に到達しました。その販売戦略がめずらしいものなので、ここでは各アイテムとともにその販売ルートにも注目してみたいと思います。
男性の美容意識における2つの“差”
では、なぜ、マックス ファクターはこのような限定的な販売ルートにしたのでしょうか。個人的な考察を述べてみましょう。それはズバリ、日本の男性の美容意識の“差”によるものだとガイドは考えています。初心者に使いやすいキットも販売される。SK-II MEN スターターキット 6400円
ふたつ目は、日本では個人間の美容意識の“差”です。以前、「生活トレンド研究所」にて「男性の美容に関する意識調査」を実施した結果としても表れているのですが、年代によって大きく“差”が開いています。
ビジネスシーンにおいて、「外見・身だしなみ」で後悔や失敗をしたことがあるかという質問に、20代の美容関心層は「髪」、「服装」、「肌」の順で後悔や失敗を経験したと回答。最近はこのように10~20代の若年層と30代以降のミドルエイジ層との美容意識の格差が顕著に表れています。その一方、美容に無関心層の56.0%が「特にない」と回答していたのが特徴的。
グローバルに働く男性に免税店でアピール
異なる年代だけではなく、同年代のミドルエイジ層の中でも危機意識の“差”が生まれています。意識の高い男性と低い男性では、スキンケアに対する考え方が異なります。「ケアをすることが仕事上、有利に働く」、「周囲の人に嫌われないために最低限必要な行為と捉えている」といった意識の高い層は、相対的に仕事や人生に対して前向きな姿勢を持ち、グローバルに活躍する機会も多いのではないでしょうか。つまり、スキンケア自体が自己投資であり、リスクヘッジであると気づいている男性と、そうでない男性には深い溝があるといってもよいでしょう。空港での買い物で気恥ずかしさとともに財布の紐も緩む!?
もちろん、これは東京での五輪が決まって、さらに増え続ける日本への観光客へのアプローチという側面もあることでしょう。元々、SK-IIは日本で製造されています。SK-II MENもまた、日本発であるという強味から、この販売ルートは的を射ていると言えます。
伸びているとはいえ、男性コスメ市場はまだまだ発展段階。最初に百貨店などに出さず、あえて限定感を出すこの戦略からかえって同社の本気度が伺えます。このような限定販売がどのような効果を生み出すのか、今後も注視していきたいと思います。
さて、次のページでは、気になるSK-II MENの各アイテムをご紹介します。