新しい形もできつつある、ママの働き方
佐 管理職でない場合は、どういった働き方が増えていますか?時短勤務や在宅勤務などでしょうか。水 「毎日は働けないけど週3程度は働きたい」という主婦が4~5人で組んで起業して、“企業のある分野のタスクをシフト制でシェアする”というスタイルで働くことも増えているようです。特に、ベンチャー企業やウェブ系の企業、クリエイティブ系など能力重視の業界で多いようで、女性が自分から売り込んで仕事を獲得しているようです。フルタイムかパートか、内職か……という選択肢は昔の話。今はITの普及で、能力のある女性は働く場所を問わず、十分“やりがいのある仕事”ができる時代になったんです。
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水 でも、本当にここ数年の話です。震災などがあって、日本全体の“働く”ということに対する考え方が、少し柔軟になったというのも大きな転機だったと思います。
佐 となると、この時代に女性が一生働き続けるためには、やはりIT系のスキルを身につけることが大切なんでしょうか。
水 在宅でできる仕事にIT系のスキルが必要なことは多いのですが、一番求められているのはコミュニケーションスキルです。実質的な業務は、後から覚えられることも多いんです。それよりは、フルタイムで働いている時から同僚や上司、取引先とコミュニケーションを十分に取り、「またこの人と働きたいな」と思われることが大切。事実、結婚・出産を機に転職しようとすると、コミュニケーションスキルが高い女性は「ぜひ我が社に……」とヘッドハンティングされたり、「就業スタイルを変えても働き続けてほしい」と引き止められたりするものなんです。また、FacebookなどSNSを活用して転職活動する方もいますが、それもやはり、コミュニケーションスキルがあってこそできること。そのため私は、「転職したい」という女性に、まず「引き止められる人材になってから転職しましょう」とアドバイスしています。必要とされる人材になっていれば、結婚しても、ママになっても、どこでだって働けるんですよ。
佐 社会的な制度が整ってきた今、最後に問われるのは個人のスキルなんですね。勉強になるお話、本当にありがとうございました!
(文:大高志帆 写真:伊藤高詞)
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