女性管理職の比率、日本ではまだ1割程度
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佐々木さん(以下、佐) 前編では、“女性が一生働く”ということがスタンダードになった今、働く女性たちがどんなことに悩んでいるのか、お話ししていただきました。でも、働き続ける女性が増えたということは、日本の労働環境が女性にとって良い方向に進んでいるということですよね?
水野さん(以下、水) 「子どもは産みたい。でも、出産して同じポジションに戻れるかと考えると不安で産めない」という声は、まだまだいろいろな業界の女性から聞きます。働き盛りと出産のリミットが重なってしまうから、多くの女性がすごく悩むんです。でも、第一子出産で6割の女性が退職していた5~6年前に比べると、確実に状況はよくなっています。これは育休・産休制度が整ってきた証拠でしょう。
佐 アベノミクスの一環として、女性管理職を増やしていこうという動きもありますよね。
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水 女性は、出産とその後の育児で、同期でも男性社員に比べると勤続年数が短くなってしまうことが多く、結果的に管理職になるのが遅くなる傾向がありました。また、実際「管理職に……」とお声がかかっても、子どもに手がかかる時期と重なってしまい、引き受けることができない人も多かったんです。管理職に対して、“責任が重く、休みが取れない”というネガティブなイメージがあったのも事実です。しかし、このところ働くママが「管理職って、いいんじゃない」というポジティブな発言をし始めており、管理職でもフレックス勤務ができて、休みもきちんと取れるという女性が働きやすい企業も増えています。現実的には、女性管理職の割合はまだ1割程度でしかありませんが、今後はもっと増えるでしょうね。
佐 管理職になった女性の生の声は、励みになりますね。そういう動きは、女性社員が多い企業のほうが早いのでしょうか?
水 やはりサービス業やアパレルなど、女性の人材活用を重く受け止めている企業の方が素早いですね。トップや経営陣の考えが色濃く反映される部分なので、業界によって差はあります。