RolandのTR-808を再現する国産音源、VR-08
テクノサウンドにおいて、必須音源ともいえる、RolandのTR-808。1980年に発売された機材なので、すでに登場から33年。販売終了してから30年以上経過しているのに、いまでも人気の機種で、中古でも高値で取引されています。そのTR-808を再現するソフトシンセは数多く存在するし、音色プリセットとしてTR-808のドラムキットを装備しているものもたくさんあります。そんな中、どこまでリアルな音が再現できるかに徹底的にこだわって作ったWindows用のソフトウェア音源があります。それがVR-08というもの。
これは、VOCALOID3をReWire化するフリーソフト、V3Syncなどを開発したエンジニア、ありぱぱさんが開発したもので、自身が所有しているTR-808を高精度にサンプリングして再現したもの。ありぱぱさんによれば、実機TR-808のすべての楽器の音を、少しずつパラメータ変更しながら24bit/96kHzで丁寧にサンプリングを行った総数2,134個の波形を搭載しているのだとか。
しかも、最近になりTR-909音源も搭載するようになり、結果として2,372個もの波形を装備しているんだとか……。だからこそ、かなりリアルなサウンドで音を出すことができるのです。
そのVR-09は基本的に4,900円のシェアウェア。しかし、なんとも気前のいいことに、そのフリーウェア版も存在しているのです。これは44.1kHzでのサンプリングとなっていて音質面では製品版にはかなわないものの、これでかなり十分なことができてしまいます。
まずはこのフリーウェアで試してみて、さらに音にこだわりたくなったら有料版に切り替えてみるというのもよさそうですね。
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