小学国語Aで全国最下位になった静岡、一体何が?
今年は全校で実施された全国学力テスト。
まず、小学校のすべての問題と中学校の国語AとBで秋田がトップ、中学校の数学AとBで福井がトップと、相変わらず秋田の学力の高さが目立つ結果に。
一方で、下位には異変が。まず、沖縄以外に、小学国語Aで静岡が、小学算数Bで北海道が最下位となったことです。
とはいえ、全国平均と比べて正答率が5ポイントより下回った都道府県は小学校のすべての問題で0、中学校の国語Bでも0という結果に。その他の問題でも、全国平均を大きく下回る都道府県は減少しているなど、全体的に“学力が底上げ”されたと言っても過言ではありません。
中3の6人に1人が計算力不足
それでは、問題別に詳しく見てみましょう。まず、数学A問題の中から、平均点トップの私立校の正答率が9割以上という基礎中の基礎の問題を選び出し、公立校トップレベルの秋田、下位に低迷している高知、そして全国の公立校の平均を比べてみました。さらに、私立校とは10~20ポイント以上開きのある問題を選び出し、正答率とともにまとめたのが次の表です。
まず、驚いたのが、分数のかけ算の正答率が83.2%しかないこと。実に「中3の6人に1人」が分数の計算ができなかったのです。その数字は、秋田ですら85.4%しかなく、私立校の96.9%と比べると10ポイント以上の開きがあります。
一次方程式を解く問題では、9割以上の中3が解けている一方で、公立校トップの秋田でも79.1%と5人に1人が解けないのが現状です。さらに下位に低迷している高知は、正答率は67.7%しかなく、実に「3人に1人が一次方程式が解けない」という深刻さが読みとれます。
「私立校は優秀な生徒ばかりだから公立校との比較は意味がないのではないか」と思われる人も、中にはいるかもしれません。しかし、四則計算の問題では、秋田でも正答率が91.3%と9割をこえていることからも、少なくとも基礎的な数学の問題においては、必ずしもそうとは言えないのです。やはり、何をおいても基礎基本の定着が大切だということです。