学費・教育費/塾・予備校・受験にかかるお金

大学受験の塾・予備校でかかるお金

いまや高校の卒業生の半分以上が大学に進学する時代、高校生の間に通う塾や予備校の費用が気になりますよね。一体どのくらいお金がかかるのでしょうか。日頃の相談業務でも子どもがいるほとんどの親が、「大学には行かせる予定なので、学費を貯めたいです」と話し、高校3年または大学入学の時期にお金が受け取れる学資(こども)保険などを活用して大学費用を準備している人もとても多いです。

鈴木 さや子

執筆者:鈴木 さや子

学費・教育費ガイド

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2人に1人は大学へ進学する時代

文部科学省の「令和2年度学校基本調査」によると、高校(※)を卒業した生徒の54.4%が大学(学部)に進学しており、いまや2人に1人以上が大学に進学する時代。実際には浪人の道を選ぶ人もいるため、潜在的進学率はもっと多いといえるでしょう。ちなみに短大や専門学校なども含めると、高校卒業生の83.5%が勉学の道へ進んでいます。
(※)全日制・定時制卒業者の場合
   
塾・予備校にかかるお金は果たして……?

塾・予備校にかかるお金は果たして……?



日頃の相談業務でも子どもがいるほとんどの親が、「大学には行かせる予定なので、学費を貯めたいです」と話し、高校3年または大学入学の時期にお金が受け取れる学資(こども)保険などを活用して大学費用を準備している人もとても多いです。

このように、大学入学以降の学費については事前に準備している人が多いのですが、その前には塾や予備校の費用がかかることも。一体いくらくらいかかるのでしょうか。
 

大学受験の塾・予備校はそもそも必要なの?

そもそも大学に行くために、塾や予備校は欠かせないのでしょうか。

こればかりは子どもの学力や性格、そして高校の授業内容、目指す志望校などによって異なるかと思います。通っている高校で受験対策カリキュラムが綿密に組まれており、しっかりと内容についていけているのであれば、塾は必要ないかもしれません。

逆に、高校では対策授業が少なく、志望校合格に不安が残っている、また、学校の授業についていくことが難しい場合などは、塾や予備校に通って不安を除去していくことになるのでしょう。

文部科学省の「子供の学習費調査(平成30年度)」によると、高校生の通塾率は公立高校で37.8%、私立高校で38.2%(※)とあり、3人に1人は塾や予備校に通っているといえます。これは大学に進学しない高校生も調査対象に入っているので、実際に大学受験をする人の通塾率はもう少し高いと考えられます。
(※)該当調査の「項目別経費の金額段階別幼児・児童・生徒の構成比」を基に算出

大学生の子どもを持つ人に経験談を聞いて紹介するブログを運営していますが、その中でも、塾や予備校に通わないで大学に進学した子どもを持つママが登場します。そして、「自分でコツコツできる子、集団の中でやる気を出す子、本人の個性と家庭の方針に合わせて、塾や予備校を利用するかどうかを含め、上手に選択しよう」と話しています。

とはいえ、将来のマネープランを立てる際は「多めの金額」を見込むことが大切。塾や予備校代など大学受験に関する費用を出す予定の家庭なら、塾や予備校に行くことを前提として、お金を用立てしておくと安心かと思います。
 

大学受験の塾・予備校にかかる費用の目安は年間40万~100万円

多くの塾・予備校は、好きな科目を選んで受ける単科式の形態をとっています。選択する科目の数が多ければ当然費用もアップ。志望校に合わせた科目を組み合わせたプランがあるところも多いです。また、夏期や冬期の講習も別料金なので、必要なものを上手に選んでいきたいですね。

ここでは代表的な2つの塾・予備校の費用について、概算で一例を紹介します。
 
大学受験のための塾・予備校の費用の例

たくさん選べば年間100万円近くかかることも(クリックで拡大)


A塾、B塾ともに、選ぶ講座によって金額や受講できる単位数が異なりますが、このように科目・レベル別などに分かれた単独講座を自分で組み合わせて、受講する形が一般的です。そのため志望校によっては多くの科目を選択しなければならず高額になることも。裏返せば自分でコントロールができるともいえ、受講するのは苦手科目のみに絞り節約することが可能です。そのため、講習費用をいれた総額の相場は、年間40万~100万円とかなり幅広いです。
 

塾・予備校の費用を節約する方法も

成績優秀者は学費が免除になる「スカラシップ制度」を使えると、かなり節約になりますが、塾によって認定基準が異なりますので、塾・予備校を選択する際のチェック事項に入れておくとよいでしょう。現役生向けには制度自体がないところもあります。

コストパフォーマンスという観点では、塾・予備校によって、授業形態(ビデオ授業、対面授業など)や1科目あたりの授業時間も講師陣のラインナップも異なるため、一概に「この塾がお得」という選び方は難しいもの。高1など早い時期から、トータルで塾・予備校にどのくらいお金をかけるか予算を子どもに伝えるのがおすすめ。そして、志望校や受験プラン(一般入試?推薦入試?など)と併せて、どんな塾ならば力を伸ばせそうか子どもに考えさせるとよいでしょう。そもそも子どもの性格や好みに合わないと、せっかく通ってもパフォーマンスが下がることもあるからです。

最近では格安で大学受験勉強ができるサービスも数多く登場しています。中でもコストを抑えて学べる代表的なサービスがリクルート社が企画運営している「スタディサプリ」。月額1980円(税抜)(専用学習プランや担当コーチがつくと月額9800円(税抜き))で、プロ講師による動画授業を5教科分受講、しかも見放題で学べる画期的なサービスです。他にも、月額1500円(税抜)で全国の講師100名以上が提供する動画授業を受けられる「学びエイド」というサービスもあり、こうしたサービスを上手に活用できれば、塾や予備校の費用を抑えることが可能です。

また、地域によっては一定所得以下の世帯に、塾費用の補助を行うところもあります。たとえば東京都の「受験生チャレンジ支援貸付事業」は、20万円を上限に塾費用の貸付を無利子で行い、もし大学に入学した場合は返済が免除されるというものです。お住まいの自治体HPなどでチェックしてみるとよいでしょう。

高校生は、社会経験も増え、目指す人生もやりたいことも変わるかもしれない時期。塾などに通っていても、途中で志望校や進路が変わるかもしれません。出せるお金には限界があるため、子どもにも「どのくらいなら出せるか」という目安を(出せない場合はアルバイトなど自分で出させるなど)、親としての方針を伝えておくと安心です。家庭によって方針は違うかと思いますが、親子ともに、塾などにかかるおおよその金額を知り、心の準備をしておくことが大切です。

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