ツボ・経絡/ツボ・経絡の効果・注意点

WHOも認めるツボの有効性……経穴・経絡とは(2ページ目)

民間療法だと思われがちな「ツボ」。正式には経絡・経穴と呼ばれるもので、世界保健機関であるWHOにも、医学的有効性が認められている治療法の一つです。ツボの作用、役割、成り立ちを始め、近年の発見や、足ツボ、耳ツボの起源について解説します。

山木 伸允

執筆者:山木 伸允

鍼灸マッサージ師 / 鍼灸療法・ツボガイド

それぞれの起源を持つ「足ツボ」「耳ツボ」

東洋と西洋undefined2つの起源をもつ耳ツボ

耳は胎児の投影?耳ツボの成り立ち

昨今では、足ツボや耳ツボといった「ツボ」の使われ方が身近に感じられることが多いようにも感じますが、足ツボに関しては東洋医学とは全く異なる起源を持っています。

足ツボは、1900年代中盤頃にアメリカ人医師が手術中に患者が足裏をベッドの柵にこすりつける様子から着想を得て研究した成果を、理学療法士のイングハムが体系化してまとめた『フットチャート』が基となっています。

つまり、ツボの正体である経穴とはなんの関係もないというのが実際なのです。「台湾式足ツボ」などと聞くとあたかも東洋医学が基礎であるように考えがちですが、台湾式足ツボも先に述べた『フットチャート』を参考にして行われていることがほとんどで、東洋医学がベースのものではありません。

一方、近年では耳ツボもダイエット方法の一つとして注目を集めていますが、こちらは東洋医学の思想によって発展したものと、フランスで生まれたものとの2つがあります。

古代中国から伝わる医学書である『黄帝内経(こうていだいけい)』によれば、エネルギーの通り道である経絡のいくつかは耳へと流れ込むため、内蔵や筋肉の異常が耳のツボに反映されるとしています。

またフランス生まれの耳ツボは、『頑固な坐骨神経痛が耳介への焼灼によって寛解した』という古代の伝承療法からヒントを得て医師のNogierが発展させたものです。こちらは『耳の胎児投影説』を唱えており、耳に投影された胎児の身体各所に刺激を与えることで治療を行うものですが、その発展過程では東洋医学の影響を強く受けていると言えます。       

東洋医学が起源のものもフランスが起源のものも、どちらも耳のツボに対して刺激することでその対応する内蔵や筋・関節などに治療ができるとしているのは全く同じと言えるでしょう。

「ツボ」を知って日々の生活に役立てる!

以上のように、「ツボ」すなわち「経穴」とは下記のようなものと言えます。
  • 身体を流れるエネルギーの中継地点
  • WHOによって国際標準が定められている
  • 5300年より古い歴史を持つ可能性がある
実際の治療効果としても、押し方や押す位置によって、肩こり、腰痛、膝痛、頭痛、生理痛、はては二日酔いまで、誰もが経験があるような、あらゆる症状に有効とされています。

ぜひ「ツボ」について知識を深め、日常生活の中で上手に活用していってください。
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