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井手茂太最新作『麻痺 引き出し 嫉妬』インタビュー!(2ページ目)

コンテンポラリーダンス界の異彩・井手茂太さん率いるイデビアン・クルーが、この秋一年ぶりに舞台に登場! 最新作『麻痺 引き出し 嫉妬』を引っさげ、北九州と横浜の地を巡ります。ここでは、演出振付家であり、ダンサーの井手さんにインタビュー! 新作の行方と、その意気込みをお聞きしました。

小野寺 悦子

執筆者:小野寺 悦子

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Q.新作には、実際に過去の振りやシーンも登場するのでしょうか?

井手>今回はあえてそういうことをやってみたいと思っています。“あの男性群舞のシーンでやった一瞬の小ネタがもう一度みたいな”なんていう気持ちが個人的にもあるし、今の時代でも使えるなっていうちょっとしたセリフの掛け合いもあったりする。ファンサービスという訳ではないけれど、まだ見てないひとも一杯いるし、もったいないことが沢山あって。再演とまではいかずとも、過去にもあったようなものを部分的に取り入れつつ、新しい引き出し的な要素も入れていけば面白いんじゃないかなって考えてるんです。

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「挑発スタア」2009年(C)青木司


Q.公演に先駆け、5月にKAAT神奈川芸術劇場でワークショップを開催されていますね。
これも新しい試みでは?

井手>新作をやるにあたって、ただ観に来てもらうだけじゃないことをやりたくて。ワークショップの会場は、KAAT内のスタジオを使わせてもらいました。そこでみなさんに振りを体験してもらって、秋に公演を観た時に、“あ、こういうニュアンスをやりたかったのか”とか、“私もこういうのやったな”とか、ちょっと身体で経験したら面白いんじゃないかと……。

今回は応募してくれた方が多かったので、こちらである程度絞りました。ダンス経験者とか、ダンスをやってなくても普段身体を動かしてるひと、初めて受ける方をなるべく優先して。というのも、ワークショップの最後に10分間の作品をみせるというショーイングをしたんです。ワークショップをやりながら振付けをして、最後に発表する。三時間の中でその全てを完結させるという、ゲリラ的な試みです(笑)。

これまでも地方で一週間ワークショップをして最後に発表会を行ったりと、ある程度時間をかけたものをやったことはありました。だけど、その日の内に小作品をつくっておみせするというのはホントに初めて。ただ、参加した人たちはそれもわかってるし、間に合わせなきゃいけないっていうひとつの目標がある。“頑張ろうね!”って、会ったばかりのひとたち同士で妙に団結したり(笑)。今回出るキャストも一緒になって、みんなでギリギリまであせりながらやってました。


Q.そこで生まれたものを、作品に反映してみたり?

井手>それはやっぱりありますよね。ワークショップに集まったひとの踊りのクセが、妙に僕のツボに入ったりすることがあって。クリエーションの時に、“じゃあ、○○さんみたいな感じでやるとどうなる?”なんて試したりしてる。ワークショップのみなさんに、逆に提案をいただいた感じです(笑)。


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