ピニンファリーナ×ジウジアーロ×アルファロメオ
気づけばこんなに値落ちしていて「おいしい!」という中古車をご紹介しているこの企画。今回はアルファロメオのアルファスパイダー(現行)をご紹介したいと思います。2.2Lの上級グレードであるディスティンクティブはキセノンライトで、クルーズコントロールが備わります。ただしグレードの整理やマイナーチェンジなどで装備はごちゃごちゃしているので、購入時に何が付いているか確かめておきたいところです
アルファスパイダーのデザインは、1966年登場の初代からずっと名門ピニンファリーナが手がけています。この現行型もピニンファリーナと、アルファロメオのスタイルセンターによって開発されました。
ただし、ベースとなったクーペ(ブレラ)は巨匠ジウジアーロのデザイン。ゆえにフロントマスクはいわゆるブレラ顔です。
名門と巨匠、なんとも贅沢なデザイナーを揃えて生まれたアルファスパイダーですが、「両雄並び立たず」という言葉があるように、本来そのデザインが破綻する危険性もあります。
しかし、そこは一流のデザイナー集団ピニンファリーナ。そんな言葉遊びを簡単に飛び越えました。ブレラ顔を見事にアルファロメオ伝統のオープン2シーターに結実させていると思います。
キセノンではなくハロゲンライト装備の最廉価版(プログレッション)でも本革シートが標準です。アルミホイールです。ライバルたちがどれだけハードルーフを採用しようが、美しいデザインを優先して、幌です
個人的にはこの車がデビューした際、その美しさに思わずクラクラしてしまいました。何とかして買えないだろうかと価格表を見たら、やっぱりクラクラしました。
2006年9月に登場した際の新車時価格は、459万~607万円。高嶺の花ってこういうことだよね、なんて独りごちたものです。
しかし、わたくし的にようやく狙えるところまでスパイダーが忍び寄ってきたのです。原稿執筆時点で見ると、最安値は179.9万円(2008年/4.5万km/修復歴なし)。
こちらは2.2L車の最上級グレードであるディスティンクティブですから新車時価格は505万円。つまり約64%オフで買えるというわけです。
人間の場合、高値の華が身近になるなんて小説やドラマの世界でしかなかなかありませんが、車の場合は往々にしてよくある話。じっと待っていてよかった、と思える瞬間です。次ページ以降でさらに高値の華の詳細を見ていきましょう。