働き始めてから、本当に自分が求めているものが何かを考えた
ボストンキャリアフォーラムでの運命的な出会いで内定を獲得したアクセンチュアだが、私は入社後1年足らずで転職を決断することになる。就職活動を始めた頃に最初に惹かれた会社がリクルートだった
しかし今から考えるとどこか学生時代に「外資系コンサルティング会社」という響きだけに憧れていて、自分が志望する会社から早期に内定をもらえたことで、私は働く上で“本当に大切なこと”を考えることなく就職先を決めてしまった部分があった。
その本当に大切なこととは、自分の将来を考えたときに「どんな経験や能力を、仕事を通じて得たいのか」ということ。
素晴らしい企業は世の中にたくさんあるが、当然得られる経験は会社によって違う。例えばトヨタ自動車とグーグルでは、世の中に対して提供する価値(商品・サービス)も違うし、それぞれの企業の中でも営業職になるのと、エンジニアになるのとでは身につくスキルもまったく違う。
当たり前と言えば当たり前のことだが、私は学生時代に正直そこまで「自分が得たい経験と身に着けたい能力」について深く考えていなかった。でも実際に働いてみると、そこがとても大切なことだということに気付いた。
アクセンチュアはITコンサルティングのグローバル企業だ。そのため仕事内容も、日本を代表するような大企業の課題をITを通じて解決するプロジェクトに参画することが多い。その中で身につくスキルはプロジェクトマネジメント力であったり、システムを構築するためのITの知識だったりする。
それ自体は大変価値が高く、将来的にIT分野で一流の人材になる上では最高の経験と能力開発が出来る環境だった。
しかし私自身の将来のビジョンは「いつか独立して自分の力で食べていくこと」と「人材教育の分野でプロになること」だった。アクセンチュアでも独立する社員は多いし、会社の中でも組織や人材のコンサルティングをする部署は存在した。しかし、その部署は人数も少なく、異動するには当然何年もかかるということが入社してからわかった。
自分の将来を考えたときに、大きなプロジェクトで仕事をするよりも、「小さくてもいいから自分で仕事を取ってくる経験をすること」、「少しでも人材や教育の分野に関わる環境で働くこと」、それらが重要であることに気付いた。
そして迷いに迷って自分の中で1つの決断をした。
「アクセンチュアからリクルートへ転職しよう」