絵本を読む中で、もっと会話を楽しみたいという方へのアイデア
日常にいつも絵本のある暮らしが、親子の会話を引き出すこともあります
■『3びきのかわいいオオカミ』を利用して
『3びきのかわいいオオカミ』は、ギリシャの犯罪学者・ユージーン・トリビザスとヘレン・オクセンバリーが、イギリスの有名な昔話をひとひねりして作ったパロディ絵本です。みなさんおなじみの『三びきのこぶた』のブタとオオカミが入れかわるこのお話は、愛らしいオオカミと極悪非道な大ブタが登場します。
よく知られた原作『三びきのこぶた』と合わせて読めば、その違いは一目瞭然。小さな読者には「あれ? 変だな? どっちが本当?」という小さなカルチャーショックが襲うはずです。
さて、ここからがコミュニケーションの始まりです。2つの絵本を比べながら、親子でディベート大会を開いてみましょう。いえ、ディベート といっても難しく考えることはありません。小さなお子さんと一緒なのですから、お子さんの素直な質問や考えをもとに、色々とお喋りをしていくのです。
お父さん・お母さんがわざとお子さんの意見に反対したり、ちょっと譲ってお子さんに華を持たせてみたりと、そのあたりは大人のさじ加減を加えながらお話をしましょう。すると、いつもとはちょっと違う子どもの姿が見られたり、大人と対等に意見交換をすることでお子さんが自信をもったりと、単なるコミュニケーションを超える収穫があるかもしれません。
【書籍DATA】
書籍名:3びきのかわいいオオカミ
著者:ユージーン トリビザス
価格: 1512円(税込み)
出版社:冨山房
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書籍名:三びきのこぶた―イギリス昔話(こどものとも絵本)
価格:864円(税込み)
著者:山田 三郎
出版社:福音館書店
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■『BABY NUMBER BOOK』を利用して
最近は、お気に入りの絵本を部屋に飾って楽しむ人が増えています。これもまた、コミュニケーション・ツールとしての絵本の有効な使い方ですね。でも親子で楽しむには、飾るだけでなく読んで楽しむことが大前提になります。
例えば、『BABY NUMBER BOOK』なら、年齢の小さなお子さんからでも、読んで飾って笑ってと大いに盛り上がることができるでしょう。
リサ・ラーソンは、世界でいちばん「かわいいこと」を考えているおばあさん。『BABY NUMBER BOOK』は、そんな彼女が、小さな子どものために娘のヨハンナと作った「数の絵本」です。けれども、知育絵本にもかかわらず、まるで冒険や魔法が詰 まったファンタジーを読んでいるかのような「ときめき」を感じさせる不思議な作品です。
いつも目の前に絵本が飾られていると、絵本のある暮らしが普通になります。その絵本がいつも家族の話題になるわけでなくても、季節の変わり目や幼稚園・ 保育園の行事に合わせて、飾られる絵本が変わったりすれば、それをきっかけに新しい会話や絵本の読み聞かせが生まれてきます。
絵本を様々な形で親子のコミュニケーションを深めることに利用できれば、毎日の家族の生活に彩りを添え楽しみをもたらし、読み聞かせをエンターテイメントに進化させるだけでなく、子どもの健やかな成長にさえ良い影響を与えるに違いありません。
【書籍DATA】
書籍名:BABY NUMBER BOOK
著者:ヨハンナ ラーソン
価格:972円(税込み)
出版社:パワーショベル
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さて、絵本を仲立ちとしたコミュニケーションの実例をいくつかご提案しましたが、これらはほんの一例です。絵本をコミュニケーショ ン・ツールとしてどのように活用していくかは、それぞれのご家庭次第です。我が家流の絵本の読み方・楽しみ方ができた時、お子さんはきっと絵本の虜になっていることでしょう。
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