絵本/絵本好きを育てる「ひざ読」のすすめ

こんなときどうする? ひざ読FAQ(3ページ目)

ひざ読は絵本嫌いの子も絵本大好きへと変身させる読み聞かせの方法です。そのため、やみくもに絵本を読むのと違い読み手に準備やちょっとした工夫が必要です。そんなひざ読に関するよくある質問にQ&A形式でお答えします。

執筆者:大橋 悦子

絵本選び(選書)に関する質問

絵本選びに悩む父親のイメージ画像

「どんな絵本を読めばいいのか?」 読み聞かせのたびに頭を悩ませますね

お父さん・お母さんにとって、絵本選びはとても難しく感じられるようです。多くの専門家も、それぞれの立場で絵本選びのポイントを挙げていますので、それらも参考になさりながら選書をしていただければ良いと思います。ひざ読には、次のような質問が多く寄せられます。

Q:ひざ読向きの絵本とは?
具体的に、ひざ読では、どんな絵本を読めばよいのですか?初心者でも読み聞かせしやすい本、子どもが喜ぶ本を知りたいのですが……

A:面白いと感じる本ならなんでもOK
絵本を選ぶポイントはいろいろあります。ロングセラー絵本から選ぶのが間違いないという方、絵本の専門家がおすすめのものが安心だという方などなど、どれも大切なポイントだと言えます。でも、それは、読んでもらう子どもが絵本を好意的に受け入れている場合の選び方です。もし、お子さんが読み聞かせを嫌がるなら、どれほど質の高い名作と言われる絵本を選んでも、それだけですぐに面白いと感じることはないと思います。

そこでひざ読では、とにかくお子さんが楽しいと思う絵本を選ぶことを大切にしています。まずは「あっ、絵本って面白い!」とお子さんが感じられることが1番です。お子さんが読み聞かせを楽しいと感じ始めたら、しめたもの! お子さんが絵本を嫌っていたり、ブックスタートを待つような小さなお子さんへの読み聞かせの場合は、むしろ選書のポイントなど気にせずに、お父さん・お母さんがいいなあと思う本を選んでみるのがおすすめです。

試行錯誤を繰り返すうちに、お子さんの興味の対象がわかったり、変化を実感したり、お子さんの反応に驚いたり、思わぬ発見があったり……と、絵本を通じて お子さんの確かな成長を実感できる時がやってきます。読んであげる大人にとっても選書が楽しくなる時がおとずれるのです。親子でそんな読み方をする中から、他の誰のためでもないうちの子のための選書のポイントが見えてくるのではないでしょうか。それを大切にしていただきたいと思います。

Q:親の期待を込めた選書について
子どもに興味を持ってほしい内容で絵本を選んではいけませんか?

A:期待が大きすぎると失敗する可能性も高くなる
スタート時の選書に限って言えば、選んでよい場合もあるし、選んではいけない場合もあります。曖昧な答えで申し訳ないのですが、それぞれのお子さんによってうまくいく場合もあれば、逆効果になってしまう場合もあるからです。

そこで、まず最初はお子さんの好きな絵本から、スタートするのが良いと思います。お子さんが、ひとたび絵本の楽しさを実感すれば、その後はお子さんに興味を持ってほしい内容の絵本を選んでもうまくいきます。ただし、不思議なもので(たぶん親の下心が伝わってしまうのでしょうが)、学習につながるかどうかという視点だけで絵本を選ぶと必ず失敗します。

お父さん・お母さんには、目先の教育的効果に惑わされず、お子さんの成長を長い目で見て、成長の糧となるような絵本選びをしてほしいものです。お子さん専属の「絵本コーディネーター」になれるのは、お父さん・お母さんだけなのですから



お子さんを絵本好きに育てる「ひざ読」のすすめ 記事一覧
  1. 「ひざ読」で「絵本大好き!」への1歩をふみだそう
  2. ひざ読の前に知っておきたい「おはなし会」の弱点
  3. 「ひざ読」成功の鍵は絵本を楽しむ親の姿にあり?!
  4. 子どもを絵本に誘う魔法の言葉「お膝で読もうね」
  5. もしもお子さんが「ひざ読」を嫌がったら……
  6. こんなときどうする? ひざ読FAQ
  7. 「ひざ読」から絵本の世界を拡げよう
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