絵本/絵本好きを育てる「ひざ読」のすすめ

もしもお子さんが「ひざ読」を嫌がったら……(2ページ目)

読み手が絵本を面白いと感じ、お子さんが集中できる状態で読み聞かせを行えば、お子さんは必ず絵本を楽しむことができます。それでもお子さんが読み聞かせを嫌がるときはどうしたらよいのでしょう? その疑問にひざ読の立場からお答えします。

執筆者:大橋 悦子

読み聞かせを客観的に振り返ってみよう

振り返り表のイメージ画像

子どもが読み聞かせを嫌がる理由は、紙に書きだして考えると整理しやすい

前述のような方法で無理強いをせずに読み聞かせをしても、お子さんが嫌がることが多い場合は、ご家庭での読み聞かせの様子を振り返ってみましょう。メモ用紙等で構いませんので、読み聞かせについて「これまで通り続けたいこと」「工夫の必要があること」「新しく試してみたいこと」の3つの視点から考えていることを書き出してみます。

紙に書きだすことで、冷静な振り返りができ、自分の読み聞かせを客観的にみることができます。こうしなければならないという決まりはありませんので、例えば次のような手順を参考に振り返りを行ってみてはいかがでしょう。問題点が見つかったり、思いがけない気づきがあったりするでしょう。

1. うまくいったことを確認する
思い返したことの中から、うまくいったなと思うことを、「続けたいこと」の欄に記入します。「どう考えても大失敗だ」と思えるような読み聞かせでも、必ず 何か良くできたことがあるはずなので、そこに目を向けていきましょう。うまくやった自分としっかり聞いていたお子さんを認めてください。これが、読み手の自信につながり、うまくできたことが定着していきます。

2. 問題点を洗い出す
思い返したことの中で、問題だと感じることを「工夫の必要があること」に書き出します。今日の読み聞かせで、実際に起こったことでなくても、もっとうまくできたと思うことや不安に思っていることなども記入しておくとよいでしょう。改善点を考える際のヒントになります。

3. 試したいことを考える
1と2をもとにして、どうすればもっと絵本を楽しむことができるのか考えてみます。「こうすればよかったかな?」とか「今度はこうやってみよう!」など、 思いつくままに「試したいこと」に書き込んでいきます。ワクワクするようなことを思いつければ、読み聞かせが一層楽しくなります。

4. 何を試すか決めて、やってみる
3の振り返りの中で、やってみたいことがたくさん出てくると思います。それらの中から実際に次の読み聞かせで試すことを決めましょう。色々なこと を一度にやろうとするのでなく、確実にできることを1つか2つ選んで、そのことに集中する方がうまくいくように思います。

ちょっと面倒な作業ではありますが、何度か根気よく振り返りを続けてみると、遠からず親子共に変化を実感できると思います。

お子さんが、少しずつでも絵本に耳を傾けられるようになったなら、どうぞたくさん誉めてあげて下さい。「あなたと一緒に絵本が読めてお母さんも楽しい」と伝えてあげてください。親子一緒に絵本の世界を旅する喜びや楽しさが、さらに増していくと思います。



お子さんを絵本好きに育てる「ひざ読」のすすめ 記事一覧
  1. 「ひざ読」で「絵本大好き!」への1歩をふみだそう
  2. ひざ読の前に知っておきたい「おはなし会」の弱点
  3. 「ひざ読」成功の鍵は絵本を楽しむ親の姿にあり?!
  4. 子どもを絵本に誘う魔法の言葉「お膝で読もうね」
  5. もしもお子さんが「ひざ読」を嫌がったら……
  6. こんなときどうする? ひざ読FAQ
  7. 「ひざ読」から絵本の世界を拡げよう
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