絵本/絵本好きを育てる「ひざ読」のすすめ

「ひざ読」成功の鍵は絵本を楽しむ親の姿にあり?!(2ページ目)

子どもたちの絵本に対する興味を引き出し大きく育てる1番簡単な方法は、親が絵本を楽しむ姿を子どもに見せること。でもそれだけでは子どもは絵本好きにはなりません。大切なのはその時「○○○」が存在するかどうかです。

執筆者:大橋 悦子

親の背中を見せるだけでは絵本好きな子に育たない?!

楽しそうに絵本を読む親子の画像

親子が共に絵本を楽しむことが、ひざ読の極意です

昔から、子どもは親の背中を見て育つと言います。そのため、読書に関しても、親が本を読まないのに、子どもにだけ何百回「本を読みなさい」といっても効果はなく、親自身が本を読む姿を子に見せる事が大切だといわれます。「あら、ひざ読と同じね」と思われる方もいらっしゃると思いますが、ひざ読には少しだけ違いがあります。

お子さんが既に幼年童話などの1人読みを始めているなら、親が本を読む姿を見せる事は、お子さんを読書好きへと導く有効な手段になりますが、絵本の場合はそれだけでは不充分です。

絵本と他の書籍との違いを思い出してください。絵本には、必ず読み手と聞き手という2人の読者が存在するのでしたね。絵本の醍醐味は、読み手と聞き手のコ ミュニケーションにあると申し上げました。その醍醐味を味わうためには、親の背中を見せるだけではダメで、やはりコミュニケーションが必要なのです。

触れ合う親子のイメージ画像

普段から会話の多い家庭は、ひざ読もうまくいく傾向があります

絵本を楽しそうに読んでいるご両親を見て、お子さんが「お母さん(お父さん)何してるの?」というひと言を発したら、その時が「ひざ読」スタートの絶好機になります。でも、この時の言葉がけにはくれぐれも注意してください。

極端な例ですが、絵本を読んでいるご両親を見て、「お母さん(お父さん)何してるの?」と聞くお子さんに対して、「絵本を読んでいるの。面白いよ。今度一緒に読もうね。」と応えれば、お子さんは読み聞かせを楽しみにし、絵本への期待も高まって、絶好のひざ読スタートができるでしょう。

けれども、本に夢中になるあまり、ついうっかり「面白い絵本を読んでいるんだから邪魔をしないで!」などと応えれば、お子さんはしょんぼりとして、一瞬にして絵本への好奇心はしぼんでしまうに違いありません。ウソのような話ですが、これに似たケースが意外に多いのです。いくら絵本が面白くそれを伝えるためでも、お子さんを気持ちの上で置き去りにすることのないように、気をつけてください。

コミュニケーションは、必ずしも会話である必要はありません。絵本を読むお父さんやお母さんの傍らで、興味深くその絵本を覗き込むお子さんにニッコリと笑顔を返す、それだけでもよいのです。親子の間に、絵本を介してそんな言葉や気持ちのやりとりが生まれることが大切なのです。ひざ読はそこからスタートします。


お子さんを絵本好きに育てる「ひざ読」のすすめ 記事一覧
  1. 「ひざ読」で「絵本大好き!」への1歩をふみだそう
  2. ひざ読の前に知っておきたい「おはなし会」の弱点
  3. 「ひざ読」成功の鍵は絵本を楽しむ親の姿にあり?!
  4. 子どもを絵本に誘う魔法の言葉「お膝で読もうね」
  5. もしもお子さんが「ひざ読」を嫌がったら……
  6. こんなときどうする? ひざ読FAQ
  7. 「ひざ読」から絵本の世界を拡げよう

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