上場初 3億円の赤字
めざましい成長を続けていたはずのGREEに何が起こったのでしょうか?
赤字になったのは直近の6月期第4四半期決算の方で、純利益で3億円の赤字を計上しています。ちなみに、通期の方もかなり厳しい状況で、純利益が前年比で53%減の225億円でした。利益が半分って、大変なことですね。
飛ぶ鳥落とす勢いだったGREEの苦戦ということで一斉にニュースが流れました。現状の分析については、フィーチャーフォン、いわゆるいままでの携帯電話向けのゲームの売上が落ちていくなかで、スマートフォン移行が遅れていて苦戦している、というような論調をわりとよく目にしています。
フィーチャーフォンからスマートフォンへの移行についていけずに苦戦というのは確かにそうなんですが、じゃあGREEの売上が大きく下がっているかというと、実はたいして下がっていません。売上がたいして下がっていないのになんで業績不振なのか、お話していきたいと思います。
売上高は4%減少 営業利益は41%減少
神獄のヴァルハラゲートなど、スマートフォン向けのゲームで堅調に売れているものもありますが、全体としてはフィーチャーフォンの減少分に追いついていません
で、これが前期に比べて減少しているんですが、どのくらい減少しているかというと4%減少しています。たったそれだけ? という感じですよね。そうなんです、たったそれだけです、たいして下がっていません。
減少している理由は冒頭お話した通りで、スマートフォンへの移行が進む中で、フィーチャーフォン向けゲームの減少分を、スマートフォン向けのゲームで補えていない、という状況です。
ちなみに、直近の6月期第4四半期決算では、売上は前年同時期比で8%減となっています。中長期的には、4%とか8%という数字の大小よりも、通期で4%減なのが、直近では8%減ということで、売上が減少傾向にある、ということが大きな意味を持ちます。この傾向がいつまで続くのか、いつ下げ止まるのか、そして盛り返すのか、というのが焦点です。
ですが、現状においては、売上の4%減というのはそれ程大きい数字ではありません。つまり、GREEのゲームが飽きられてみんな遊ばなくなったから苦しい状況に立たされている、ということではないんですね。少なくとも現状はそうです。スマートフォンへの移行が遅れているけれど、もともとのフィーチャーフォンの市場があるため、まだ持ちこたえている、というのが正確な表現ではないでしょうか。
しかし、純利益は半減していますし、本業の儲けをしめす営業利益も41%減ということで、大幅ダウンしています。
売上は微減なのに利益は大幅減、とすると、そろそろ何が問題なのかが見えてきますね。