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旅芸人の視点からギリシャの激動の歴史を描く

「旅芸人の記録」は、テオ・アンゲロプロス監督が1975年に製作した名画。上映時間232分にも及ぶ大作で、カンヌ国際映画祭では国際批評家大賞を受賞しています。スクリーンに登場するのは旅芸人の一座。一座の旅を通して、ギリシャの歴史と政治史が描かれます。古代神話から第二次世界大戦、その後の独裁政権へと流れるギリシャの激動の歴史が、名もない旅芸人の視点から物語られます。

投稿記事

世界各国で上映され続けている名画
「旅芸人の記録」

 

 

■監督・脚本
テオ・アンゲロプロス(1975年 フランス)
■出演者
エヴァ・コタマニドゥ他
■DVD販売元
紀伊國屋書店


「旅芸人の記録」は、ギリシャの映画監督テオ・アンゲロプロスが1975年に製作した名画です。上映時間232分にも及ぶ大作は、カンヌ国際映画祭では国際批評家大賞を受賞しています。

スクリーンに登場するのは旅芸人の一座です。19世紀の牧歌劇「羊飼いのゴルフォ」を芝居の演目として、アトレウス家の古代神話を基にギリシャの国土を旅します。

一座の旅を通して、1939年から1952年にかけてのギリシャの歴史と、政治史が描かれます。古代神話から第二次世界大戦、その後の独裁政権へと流れるギリシャの激動の歴史が、名もない旅芸人の視点から物語られます。

「現代ギリシャ史と風景を横断する旅」がスクリーンに映し出され、現代社会に古代のギリシア神話が交錯します。映像的には輪郭を際立たせることなく、ぼかしたイメージの画像では、旅芸人の一座が風景に溶け込みます。

スクリーンは、一貫して叙情詩的で、叙事詩的な雰囲気に包まれています。牧歌的なムードの中にも、軍隊による銃殺シーンや、政治デモが挿入され、見る人に衝撃を与えます。

アンゲロプロスは、1998年に「永遠と一日」で、カンヌ国際映画祭のパルム・ドールを受賞した経験ももっています。「旅芸人の記録」は、アンゲロプロスの「現代ギリシャ史三部作」の中核と言える作品であり、製作以来世界各国で上映され続けています。

 


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