(2017年追記)レストランオーナーの都合で閉店となりました。料理長、入江誠氏は2017年3月末に神宮前2丁目にL'adonisを開店。


「僕は食をアートします」

表参道から根津美術館へ向かう道は刺激的だ。最先端のファッションブティックが並び、道行く人も足早に路地を駆け抜ける。右手にPRADAのビル。その隣はかつてピエール・ガニエール(PG)が入っていたモダンなビルがある。あれから5年は経つだろうか。
イリエ

昼と夜では見え方が違う青山のモダンな路地裏

PG移転後(現在は経営が変わりANAインターコンチネンタルホテルで営業中)、そのモザイクな内装はそのままに別のレストランが入り、そして近くにはランベリーのビストロなど、そのお洒落な舞台に多くのレストランがひっそりと看板を掲げている。

シェフの入江誠は日本初出店となったPGのシェフとして店を立ち上げたものの、経営の頓挫からノバレーゼに移り、そして満を持してこの地に自らの名前を記したレストランを開くに至った。PGの近くというのも何かの因縁かも知れないが、過去は過去、現在は未来につながると信じて気持ちを新たにした出発だと語る。
イリエ

キッチンの動きが見えるのは楽しいものだ

モダンなアプローチが心地良い。神宮前のレストラン・アイは緑豊かなスロープを上がるがここは路地裏に入り込むような長いコンクリートの小路を進む。真夏の暑さを和らげる風の通り道のようだ。

店内はキッチンが見えるようになっており、これだけでも奥行き感と視線を流す場所を上手に造っている。こじんまりとした店内は個室も入れて30数席程だろうか。シェフの出身地でもある北海道をほんのりをイメージした内装もセンスはいい。
イリエ

暑さを飛ばすにはまずはシャンパーニュから

料理はコースのみで今回はグラン・ジョワイユ「幸福」コース(15750円)を。アミューズから2種類のデザート、小菓子まで9皿まで続くが、何を食べたかわかる料理になっている。メニューには「記憶に残る料理…」とある、これは何か過去との決別にも取れる意味を感じてしまったのだが、シェフ自身の料理の記憶が記され、最後に「僕は食をアートします」というところに再出発の決意で〆られている。

料理を見に行こう。
イリエ

看板もとてもシンプルだ