何年か前までは見られなかった「ゲリラ豪雨」などが猛威をふるい、いつの間に日本は熱帯になったのか、と思うほど暑い日が続いています。そして、こんなにも暑い日本の夏だからこそ聴きたいジャズ(JAZZ)があります。夏は、お祭りや花火大会など、夜のお楽しみがいっぱい。今回は、真夏の夜を彩る極上ジャズCDベスト3をご紹介いたします。

第3位 実力派女性ボーカル カーメン・マクレエ 「カミング・ホーム・アゲイン」より「スイート・アリバイ」


カミング・ホーム・アゲイン

カミング・ホーム・アゲイン

女性ジャズボーカルの御三家がエラ(フィッツジェラルド)サラ(ヴォーン)・そして今回ご紹介するカーメン(マクレイ)などと言われますが、3人の中でもカーメンは特に感性が一番新しく現代的です。

この「カミング・ホーム・アゲイン」は、そんなカーメンの中でも特にコンテンポラリーな曲で構成されており、フュージョン音楽に身体ごと溶け込んだカーメンのフレキシブルな感性を楽しめます。

特に2枚組の2枚目の2曲目にひっそりと置かれた「スイート・アリバイ」の達観した色気はどうでしょう。男の嘘を「スイート・アリバイ」として聞き流そうとする大人の女の苦悩と半ばあきらめが入り混じった色気が、カーメンの一聴あっさりとした歌唱の中からじわじわと滲みだして、歌の中に生きる彼女のこれまでの苦労を感じ、ぐっとさせられます。

続くピッコロベースソロのバスター・ウィリアムスも好演。カーメンの歌に対して、言い訳をする男の調子の良さまでも表現するかのような、深い中にも聴きやすいソロは秀逸。

このCDでは他にも伴奏陣が、当時のフュージョン界の大立者ばかり。そんな猛者たちが、カーメンに従う様におとなしめに引き立てます。夕立の後のひっそりとした時間に聴きたいCDです。

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第2位 デイヴィッド・サンボーン「カジノライツ」より「テーマ・フロム・ラブ・イズ・ノット・イナフ」


カジノ・ライツ/ワーナー・ブラザーズ・オールスターズ・ライヴ・イン・モントルー

カジノ・ライツ/ワーナー・ブラザーズ・オールスターズ・ライヴ・イン・モントルー

ここでご紹介する超有名アルトサックス奏者のデイヴィッド・サンボーンは、同じく超有名アルトサックス奏者チャーリー・パーカー以来の影響力を誇るジャズアルトサックス界のイノヴェーターです。

現在活躍しているアルトサックス奏者でこの二人の影響を受けていない人はいないとさえ言える最重要ジャズメンです。そのため当然名演は多いデイヴィッド・サンボーンですが、どういうわけかその実力に比例して聴きごたえのあるアルバムは少ない印象でした。

それには、放電のような鮮烈なデイヴィッドのアルトのサウンドが、通常の曲作りの上では押さえられてしまい中途半端なサウンドになってしまっていたと言うことが挙げられます。

デイヴィッドのアルトは、ライブでこそ本領を発揮します。そのライブの中でも、こんなにスリリングなデイヴィッドは他にないと言えるのが、この1981年のスイス、モントルーで録音された「カジノ・ライツ」の「テーマ・フロム・ラブ・イズ・ノット・イナフ」です。

この記念すべき音楽祭で、デイヴィッドのバックを務めたメンバーは、キーボードが「ラーセン・フェイトン・バンド」のニール・ラーセン、ドラムが「イエロー・ジャケッツ」のリッキー・ローソン、ベースがマーカス・ミラー、ヴィブラフォンがマイク・マイニエリ、カッティングギターがロベン・フォード、パーカッションがレニー・カストロという超豪華メンバー。これで燃えないデイヴィッドではありません。

ここでのデイヴィッドはいつも以上の熱気を持ってアルトサックスを鳴らし切っています。また、それに答える様に、単なるバックバンドではないオールスターチームが徐々にヒートアップしていく様が爽快です。

真夏の暑さを吹き飛ばすのに、このラテンタッチの演奏は最適と言えます。屋外で、仲間と一緒に、ライムを絞ったビールでも片手に聴きたい音楽です。

暑さを吹っ飛ばす! 真夏の夜に聴きたいジャズCD第1位は次のページでご紹介します。

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