<目次>
20畳! 広すぎるリビング・ダイニングの使い方
広すぎるリビング・ダイニングの使い方・レイアウト
その住宅を買い取り、いざ住む段になって、20畳のリビング・ダイニングの使い方に悩む。もし20畳の空間があったなら、一般的にはリビング・ダイニングを14畳程度にし、別に6畳の和室を設け、二つの空間に分けるケースが多いと思う。ところがわが家の建て主さんは個室数は一つ減ってもよいと和室をバッサリ切り捨てて、間仕切りのない20畳のリビング・ダイニングを作った。
広すぎろリビング・ダイニングは空間の間(ま)がもたない
広いと喜んだのはいいけれど、実際のところ20畳の広さがあると、ソファーセットとダイニングセットを一つずつ置くだけでは空間の間(ま)がもたない。頭を悩ましながら、以前、20畳よりもっと広いリビングがあるお宅にお邪魔した時の家具配置を思い出してみる。そのお宅には横長の20畳(より広い)リビングがあり、左右にソファーセットをそれぞれワンセットずつ置き、真ん中のあいたスペースに室内用のゴルフ練習パットを敷いていた。
空間をどう使うかが、レイアウトのコツ
取りあえず3つのゾーンに分けて家具を配置することに。
ソファーセットを二つ置くということは、特に客人が多いわけでもないわが家では、必要のないこと。取りあえずキッチンの近くの6畳程度のスペースにダイニングテーブルを置く。反対側の8畳程度の空間に、ソファーセットを置いてみる。そうすると、ちょうど真ん中に6畳程度の空間が空く。さて、この空間をどうやって使おうか。
そこでここにラグを敷き、ローテーブルを置いて、子どもが自由に寝そべったり遊んだりできる空間にした。そうすると、ソファーセットのある空間よりも、ここに子どもがいる時間が長くなった。
広すぎるリビング・ダイニングでは必要な時にロールカーテンで仕切り
冬になるとこのスペースにコタツを出す。もうこうなったらおしゃれな洋風の暮らしには程遠い。20畳の空間を、実質3つにゾーニングしてそれそれの役割を持たせるという使い方が、なんとかいい感じに収まってくれたと思う。しかしその次に面した問題は、お客様が来た時の対応だった。つまり、リビング・ダイニングの空間が一つなので、ソファーのあるところにお客様を通すと、中央のコタツコーナーもダイニングも丸見えになってしまう。
しょうがないので、ダイニングコーナーとコタツコーナーの間の天井にロールカーテンを設置した。お客様が来た時はこのロールカーテンをおろし、緩やかに視線を遮ることにした。
広いリビング・ダイニングは家具配置の確認を
もし同じ20畳のリビング・ダイニングでも、長方形の空間ではなく、リビングゾーンとダイニングゾーンが平面的に雁行していたり、床に段差(ステップ)があって縦方向に区切られる仕組みがあれば、もう少し住み分けがしやすかっただろうと思う。広い部屋は、家具の配置が意外と難しい。もし広いリビングのある家を購入予定の人がいたら、家具レイアウトのイメージができるかどうか、考えてみて欲しい。
たぶん、最初の建て主さんが意図したであろう住まい方を、私たちはしていない。広いがゆえのとまどいを感じつつ、なんとか自分たちらしい暮らしができるよう、少しずつ手を加えていっている。
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