広々とした家に憧れる人は多いのではないでしょうか。けれども、長く暮らすことを考えるなら、私は小さな家をおすすめします。手ごろな広さの小さな家は、意外にメリットがいっぱい。今回は、私が考える小さな家のおすすめポイントについて取り上げます。

30代で家を建てても30年後は高齢者に

家を建てている人の中心は30代。長く暮らすなら高齢になったときのことも予測して建てたいものです

家を建てている人の中心は30代。長く暮らすなら高齢になったときのことも予測して建てたいものです

家を建てる人の年齢を見ると、だいたいどの調査でも30代前半から40代半ばの人が中心です。仮に30代で家を建てても、30年後には60代。ひょっとしたら、「最近は疲れやすくて」とか、「階段の上り下りが億劫になってきた」なんてことを言い始めているかもしれません。そんな年代になったときのことを考えると、家は小さいほうが扱いやすく、便利なのです。

私がすすめるのは小さいけれど、豊かさを感じる家です。狭ければいいというわけではありません。空間の取り方や設計の工夫など、実際の面積より広さを感じさせるしかけは必要だとは思いますが、狭小住宅でも豊かさを感じる家をつくることは可能だと思います。同じ面積でも広く感じる家のポイントについては、実際の面積より広く感じる家、狭く感じる家で解説しています。

小さな家にすることで生まれるたくさんのメリット

小さな家には、どんなメリットがあるのでしょうか。

まず、建築費用が抑えられます。毎年かかる固定資産税も少なくてすみます。建築費用が少なくてすめば、住宅ローンの負担も軽くすることができるので、家を建てたからといって、生活のレベルを落とす必要もありません。
小さな家なら建築費用が抑えられ、敷地いっぱいに建てられる家より風通しや日当りがよくなる可能性も

小さな家なら建築費用が抑えられ、敷地いっぱいに建てられる家より風通しや日当りがよくなる可能性も

家が小さくなれば、庭がとれる可能性があるので、庭に植栽を施したり、鳥のえさ場をつくって、自然を楽しむなんてこともできるでしょう。季節ごとに花や野菜を育てるなど、ガーデニングや家庭菜園にチャンレンジするのもいいかもしれません。また、庭がとれるということは、隣家との距離ができるということ。敷地いっぱいに家を建てるより、通風や採光が改善される可能性がありますね。

水まわりは適度な広さを確保し、居心地を高める工夫を

メリットが多く、いいことばかりの小さな家ですが、注意点やマイナス面はないのでしょうか。

小さな家だからといってキッチンや浴室を必要以上に狭くしてしまったら、使い勝手が悪くなってしまいます。キッチン、浴室、洗面室のように毎日使う場所は、むやみに広くとる必要はないものの、極端に面積を削ってしまわないようにしましょう。

洗面室やトイレなど、もともと小さな場所は、広さを感じたり、居心地を高めるための工夫も必要です。例えば、洗面室と浴室との間仕切りにガラスを利用して広く見えるようにしたり、トイレの内装に明るめの色を使ったり。高い位置に窓をとって外部からの視線を防ぎつつ、光の入る明るい空間にするなどの工夫をするとよいでしょう。

小さな家ではすっきりと暮らせることを目指そう

暮らしやすさに影響するのが収納です。収納の基本は適材適所といわれるように、必要な場所に十分な収納を確保することが大切です。いくら納戸のようなスペースをとっても、各部屋に収納がないと使いにくいもの。しまうものによっては奥行きの浅い収納のほうが取り出しやすいこともあるのです。

面積の小さな家ですっきりと暮らすには、ものがあるべきところにきちんと収まっていることが大切。ものがいろいろなところにあふれていては、よけいに狭く感じます。収納スペースは、各所に、そして、しまいやすさ・取り出しやすさを重視してつくりましょう。

次ページでは、家を建てた後に受けられるメリットについてお話をしましょう。