日本の長距離ドライブが楽しくなるスポーツモデル
先述のように、S6の上にはRS6がいます。S6がV10の自然吸気で435psなのに対し、RS6はツインターボを備えて最高出力を580ps。ハンドメイドにこだわったという本革巻きステアリング。グリップ部に色の異なる2本のステッチが施され、A6とは違うという主張が見られます。その裏にはパドルシフトを装備
そのほかRS6には車のピッチングやロールを押さえ込むダイナミックライドコントロール(DRC)が備わるなどスポーツマインド全開です。
止まった状態から100km/hまで到達する加速(0-100km/h加速)は、S6が5.2秒(ステーションワゴンのアバントは5.3秒)でRS6は4.6秒。最高速度もS6が250km/hでリミッターが作動するのに対し、RS6は280km/hまで許容します。
とはいえ、中古車価格で比べるとS6とRS6は700万円以上と、300万~400万円も違います。普通にもう1台、買えてしまいますよね。
だいたい0-100km/h加速の4.6秒や最高速度280km/hを、日本の公道上でどうやって味わうんでしょうか。というか、S6の5.2秒や250km/hも無理ですよね。
シルクナッパレザーで覆われたヘッドレスト一体型の専用シート。フロントシートは電動で位置や角度を調整可能で、シートヒーターは前後とも標準で装備されています
「普段は普通に走って、たまにはサーキットなどで味わいたい」というなら、それなりの費用を出してRS6でいいかと思います。私はそれよりも、お手頃になったS6でV10の特性を、ズドーンと高速道路を駆け抜けるグランドツーリングカーとして味わいたいです。
このV10は2300rpmという低い回転域から最大トルク540Nmの90%を発揮。つまり高速道路ではほとんど足をペダルに載っけているだけで、追い越しなどの加速時にはちょっと指先に力を入れるだけで事足ります。
特に通常は前40:後60のトルク配分が、路面状況に応じて前15:後85~前65:後35の間で変動する、アウディならではのクワトロ(4WD)システムは、四季のはっきりした日本ではとても安心できる装備で、M5ではなくS6を選ぶ理由の大きな要素だと思います。
もちろん新車時価格1000万円超のセダンおよびステーションワゴンですから、たいていのものは備わっています。ヘッドレスト一体型の専用スポーツシートは本革(シルクナッパレザー)で覆われ、MMI(カーナビやエアコン、オーディオなどをダイヤルで操作)はもちろん標準装備。
本革やカーボン素材が車内を彩り、オーディオはBOSEサラウンドシステムでスピーカーは13個。快適この上ないのはいわずもがなです。
突然の雨や雪にもスマートに対処でき、その気になればたいていの車を抜き去って、東京~大阪間のドライブもラクチンで快適。それが400万円台で買えてしまうのは、やはり素敵なことだと思います。
このように、しっかり調べてみればお買い得な車種は意外とあるものです。あなたも一度、探してみてはいかがでしょう。
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