空を見上げている男性

目標をもって進みましょう

現在入居系の施設である有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅を運営する事業所が急増しています。しかしすでに運営が行き詰まり、譲渡する事業所も出ています。このような中、安心して事業を任せられる施設長クラスの人材不足は顕著であり業界の課題でもあります。言い換えると転職者でも施設長になれるチャンスがあるということです。

介護業界へ転職するきっかけは、高齢者のお世話をしてみたいと思った方から、募集が多いので就職しやすいと思った方、さらには不況で業界を移りたいと思った方までさまざまです。

皆さんそれぞれ動機は違いますが、唯一共通して言える事は“介護に興味を持った”ということです。興味を持っていない人にとってみれば、どんな状況であれ職業として視野には入ってこない、要するに検討の土俵には挙がってこないからです。介護の好き嫌いの感情的な判断だけに左右されてはいけません。興味を掘り下げ、今までの人生経験や仕事経験をどう活かせるかを検討し、今後なりたい自分を想定、要するに目標を定めて業界へ転職することをおすすめします。

施設長を目指すならポイントは3つ

「まずは経験を積む」ことが目標とばかり漠然とした状態で入職される方もいれば、経験を積むその先の目標を明確に定め入職される方もいます。両者を比較すると、日々の行動や意識の向け方に大きな違いが生じ、結果的には定着率に差が出てきます。それぞれの専門分野を深めたい、介護のエキスパートを目指したい、さらには管理業務に就きたいなど、近い将来の自分を思い描いてください。

なかでも管理業務にあたる施設長を目指す方は最初から意識して現場にかかわることをおすすめします。施設長は施設の運営責任者であり、かつ経営者的感覚が求められます。施設経営を通じて、利用者や地域社会が求めている期待に応え、同時に職員はじめ関係者の自己実現にもつながる運営を総合的に指揮する役割です。具体的な仕事内容は、事業管理、財務管理、人事管理、運営管理などですが、なかでも理念に基づいた介護サービスの品質を保ちつつ収益を確保するという健全運営を行うことが求められます。そこで施設長になっても、現場に対する的確な判断や指示を行い職員と協同運営ができる素地を身につけておくことが強みとなります。

施設長を目標とするならポイントは3つです。

  1. 正しい知識と根拠にもとづいた行動を身につける
  2. 人脈形成を意識する
  3. 運営コストを意識する

これらの実行は、就任後に役立つ事柄であると同時に、事業所にとっても本人の成長度合いを把握しやすく抜擢するきっかけにもなります。

正しい知識と根拠にもとづいた行動を身につける

キャリア形成に欠かせないのは、現場で実践する一つひとつの行動にともなう根拠を意識することです。施設長になるとあらゆる場面で判断が求められますが、その判断を裏付ける根拠を意図的に身につけます。

根拠を身につける
例えば、入職後最初に教えられる食事、入浴、排泄介助についてもできるようになったというだけで終わっていてはいけません。教える側は実践に役立つ部分だけをフォーカスして伝えがちなので、広い視野で捉える習慣を身につけてください。医療面、介護面においての根拠や注意点を自己学習し、その目線で現場経験を重ねましょう。考えながら実践を繰り返すことで、さまざまな疑問がわき、知識と知識を関連づけるきっかけになります。

知識を身につける
介護は制度ビジネスです。そのため制度を正しく理解していることが最低の条件となります。施設長になりたいという気持ちだけあっても、業界知識がなければ、自分が制度のどの部分に携わっているのかさえ理解できないので、まずは介護保険制度の知識を身につけてください。その事業を実施する上で必要な職員配置や資格、運営上必要な遵守事項、さらには保険単位などを把握することで事業の大枠が理解できるようになります。

情報を意識する
業界の情報に敏感になることも重要です。インターネットや情報誌などから世の中がどう動いているのかを把握すると同時に、自治体のホームページ、資格に関する情報や研修情報など、今から情報を集めることを習慣化しておきます。

入職時から根拠を意識し行動をとる狙いは、施設長として一貫性のある発言とぶれない態度をとることができるようになるためです。これこそが上司として信頼される要素となってきます。また自らも職場において目配り、気配りができる理想の同僚もしくは先輩や上司を見つけ、教科書にはない感性を伝授してもらってください。