友田好みは「すっぴん女子」か「風呂上がり男子」?!
各部門の1位のお蔵元様(左は、長谷川社長)
また、毎回こういった日本酒きき酒会で感じるのが、慣れないせいか「蛇の目のお猪口でテイスティングしにくい」ことと、大勢で「一つのお猪口を回し飲み」するスタイルが正直ちょっとつらい(このために女性は口紅厳禁)こと。前の人の臭いが残っていたりして……(そこまで敏感にはなれないが)。
そんな厳しくハードな審査の中から、私が個人的においしいと思った点数の高いものをご紹介してみよう。
ちなみに、友田ポイントは「甘味、酸味、旨味、苦味」などのバランスがいいこと。香りが強すぎないこと。味わいが滑らかで優しいこと。つまり実際に食卓で飲んで飽きずにおいしく飲めること、である。鑑評会出品酒はその審査方法(飲み込まないなど)から往々にして、吟醸香が華やかで、口に含んだ時のインパクトがあり、雑味がなくて綺麗。だけど実際食卓で飲むと疲れることがある。着飾った美女より薄化粧かすっぴんの女性のほうが長く付き合えるのと同じ。イタリアンスーツでキラキラ輝く決め決めのイケメンより、お風呂上がりに清潔なシャツを着て優しく微笑む男子が安心するのと同じことだ(たまにはイケメンもいいんだけどねぇ)。
今回の受賞酒はどちらかと言えばイケメン・美女系といえるかもしれない。その理由は、審査員が全国新酒鑑評会と同じ専門家の先生たちだから、また審査方法が同じだからだ。
では、おまけとして、友田流特典ポイントで高得点だった銘柄をご紹介しておこう。
■■純米酒部門■■
審査後の懇親会「蔵元を囲む会」は一般の方の参加も可能。ここで結果が発表される
穏やかで落ち着いたきれいな香りで、何かが突出するわけではなく、なめらかでやさしいクリーンな味わい。余韻もすっきりで気持ちのいい旨味と香ばしさがある。
■■純米吟醸部門■■
●有限会社大沼酒造店 乾坤一 純米吟醸 ササシグレ
強すぎない吟醸香。クリーンですっきり。きめ細かくみずみずしい味わい。後味のキレがよく後を引く味わい。
■■純米大吟醸部門■■
●大村屋酒造場 おんな泣かせ 純米大吟醸
強すぎない大吟醸香。やさしく穏やかで品格がある。甘味、酸味のバランスがよく、さらりとした口触り。
●新藤酒造店 裏・我山流 月華 純米大吟醸
純米大吟醸部門の一番最後だったが、それでも口を疲れさせることなくクリーンでみずみずしさあり。気持ちのいい味。
■■生もと・山廃部門■■
●株式会社中島屋酒造場 カネナカ 生もと 純米 やまだにしき原酒
●株式会社渡會本店 自然酒 特別純米酒
●杉井酒造有限会社 杉錦 玉栄 山廃純米
●株式会社飛良泉本舗 飛良泉 山廃純米 マル飛 NO15
●千代酒造株式会社 篠峯 純米山田錦 きもと 一火原酒
●白菊酒造株式会社 大典白菊 雄町七十 生もと純米
●井上合名会社 豊醸美田 山廃純米
……とたくさんあるのだが、極めつけというのが見つけられない代わりに、平均点以上がたくさんあった。とくに「篠峯」がおいしいと感じた次第。濃くなく薄くなくバランスがよく、適度な旨味があり、香ばしさもあり、後味に嫌みがなく飽きない味わい。お燗がよさそう。
市販酒のコンペティション。一部の超人気銘柄を除き、普通に買えるものが多く、それがなによりうれしいではないか。専門家が採点したキラキラ輝く市販酒たち。この機会に一度試してみてはいかがだろう。購入は以下のサイトからどうぞ。
はせがわ酒店
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