バレエ/大人のためのバレエ

大人バレエに役立つテンポの話

バレエが上手に見える人がいます。ステップをそれほど上手にこなしているわけでもないし、ピルエットだってそんなに回っていない。脚だって高く上がっていない。なのに、とても優雅で上品に、時には力強く踊れる人。そういう人たちの共通点は決まってこれ。それはテンポが取れている、ということ。テンポが上手に取れていれば上手に見える。テクニックがさほどなくても上手に見えるのなら、テンポを正しく取れた方がいいですね。

執筆者:石島 みどり

バレエに役立つ代表的テンポ

大人バレエに役立つテンポの話

バレエにはテンポが必要

1. アダージョ
2. アンダンテ
3. アレグロ

この3つのテンポを正しく取れていれば踊りが上手に見えるようになります。もちろんそれ以外にもバレエに役立つテンポがたくさんありますが、まずはこの3つを紹介します。


1. アダージョ

レッスン中に「次はアダージョです」と、教師に言われたことはありませんか?  プリエ、タンデュ、ロン・ドゥ・ジャンブなどはステップ名なのに、アダージョになるといきなりテンポのことになるのは不思議ですね。

アダージョは「緩やかに、静かに遅く」という意味です。バレエで踊られるアダージョも大変ゆっくりとしたテンポです。デヴェロッペやフォンデュなどが代表的なステップですね。ポール・ドゥ・ブラなど上半身と腕を優雅に動かすときにもこのテンポで行われます。抒情的に踊るテンポの代名詞といえます。


2. アンダンテ

アンダンテは、「歩くような速さで」という意味です。あまり聞き慣れないかもしれませんが、バットマン・タンデュやピルエットで使われるテンポの名前です。歩くスピードは一番心地よいテンポのはずですから、タンデュやピルエットの音取りでまごつく人は少ないと思います。


3. アレグロ

これもアダージョ同様、「次はアレグロです」なんて、先生に言われますね。これもステップ名ではなくテンポのこと。バレエでアレグロというとジャンプを意味しますが、本来の意味は「快速に」です。

ワガノワ・メソッドを確立したアグリッピナ・ワガノワは「バレエで最も大事なのはアレグロ」と仰っています。アダージョから徐々に速度を速めて、最終的にはアレグロで踊りを完成させる。速い速度で正確に踊れるようになれば踊りは完成されると言うことです。

上記のテンポの中で皆さんが一番心地よく踊れるテンポは何でしょうか?

2のアンダンテではないでしょうか? もし1のアダージョ、3のアレグロのテンポ取りに難しさを感じているとしたら、みなさんが感じている「心地よい速度」から抜けきれていない可能性が高いです。テンポについて行けなかったりテンポが余ったりしてしまう方は、「心地よい速度」の範囲を大きくする必要があります。最終的には全てのテンポが「心地よい速度」になるような訓練が必要になります。

◎お勧めのテンポ強化法!
テンポ強化法は、ずばり「歩くスピードを変える」です。普段のスピードよりも速くしてみたり、遅くしてみたりしながら、心地よいテンポの範囲を広げていきます。もちろん最初は気持ち悪く感じることもあるでしょう。でも地道に続けていったら、必ず成果が現れると思います。

◎テンポ強化法第2弾!
バレエショップなどでレッスンCDをお求めになるのをお勧めします。ステップ毎にテンポが変わるので、聞いているだけでとても勉強になります。

みなさん、ぜひテンポを上手に取って、優雅、上品、そして力強い踊りを手に入れてください。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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