ミュージカル/注目のミュージカルレビュー・開幕レポート

大満足の『ウィーン・ミュージカル・コンサート2』(2ページ目)

ウィーンを中心にドイツ語圏で活躍中のミュージカルスターたちがコンサートを開催。本国での衣裳そのままに、物語世界をそのまま表現した贅沢なひととき。レポートとともに、マーク・ザイベルトさんのインタビューをお届けします。

三浦 真紀

執筆者:三浦 真紀

ミュージカルガイド

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迫力たっぷりの『モーツァルト!』

メインデッシュの連続で、超満足

ウィーン発の作品を中心に有名作品の有名曲が続々登場。『ダンス オブ ヴァンパイア』『ルドルフ』『モーツァルト!』『ロミオ&ジュリエット』『レベッカ』『エリザベート』と名作ばかりの上、ナンバーはクライマックスに歌われる曲ばかり。いわば美味しいとこどり感、半端ないです。

作品世界そのままに、上演時と同じ扮装で

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溌剌とした『モーツァルト!』のイングヴェ・ガーソイ・ロムダール

コンサートと言うと、ドレスは独自のものというイメージがありますが、ウィーン勢はそれぞれ向こうで上演された時の扮装をちゃんとしてくれるところが魅力。ドレスは向こうから持ち込んで、カツラや髪型もそのまま。さぞかしお着替えが大変だろうなあ、なんて思うわけですが、扮装することでリアルにその作品世界に連れて行ってくれるのは確か。衣裳のセンスの良さにも注目して。

オリジナルキャストが歌う贅沢

オリジナルキャストとはそのプロダクションの初演時のキャストのこと。製作陣が意図する人物像がそのまま表れた、理想の配役と考えていいでしょう。今回は、『モーツァルト!』のタイトルロールであるイングヴェ・ガーソイ・ロムダール、『ダンス・オブ・ヴァンパイア』クロロック伯爵のケヴィン・タート、ドイツ語版『ロミオ&ジュリエット』ロミオ役のルカス・ペルマン。納得の演技で、私たちを唸られてくれました。

このコンサートならではの意外な配役と組み合わせ

持ち役を観る楽しみだけでなく、コンサート版の面白いところは新しい役や曲に挑戦したり、本公演ではなかった組み合わせでパフォーマンスしてくれるところ。『モーツァルト!』では、マーク・ザイベルトがコロレド大司教、ケヴィン・タートがレオポルト、ルカス・ペルマンがシカネーダーと、夢の配役が実現。マヤ・ハクフォートが男爵夫人として「星から降る金」を歌った時は鳥肌が立ちました。マヤさんは私の中ではエリザベートそのものなんですが、素晴らしい俳優さんはいかなる曲も説得力を持って歌いこなせちゃうんだな、としみじみ。

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「星から降る金」を歌うマヤ・ハクフォート



日本初お披露目の新トートと新エリザベート

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オク・ジュヒョンによる「レベッカ」

今回、日本で歌を初披露する2人は要チェックです。マーク・ザイベルトはウィーン版『エリザベート』の3代目トートで、2011年末から演じています。シックでスタイリッシュ、大人の魅力満載のトートはこんなアプローチもあるんだなと、とても新鮮。2008年からウィーン版『エリザベート』のタイトルロールを演じるアンネミーケ・ファン・ダムも、ルックス、声量たっぷりの歌声ともにシシィにぴったり。どちらもフルで観たくなってしまいます。

加えて、韓国ミュージカルからオク・ジュヒョンが参戦。歌よし、ルックスよし、今や大作ミュージカルの主役を韓国で総なめしている彼女。「レベッカ」を歌うその迫力たるや! エリザベート役3人が揃うのも、贅沢でした。


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