「The Upper House」(港区元麻布3丁目)
およそ都心部において、「ひっそりとした」という表現が似合う街並みは極小である。たとえ駅前でなくとも、あるいは商業ビルが周りになかったとしても、適度に車両が行き交い、人の往来が途切れなければ静かで落ち着いた街とは厳密には言い難い。港区元麻布は、そんな数少ない閑静な住宅街のひとつである。有栖川公園の北に位置する高台の上。中国大使館や有名私立校である麻布中・高校の印象が強いが、その落ち着いた街並みは他を圧倒するといえよう。例えば、同じ麻布がつく場所でも、元麻布ほど「街なかを貫く、通り抜けの道がほとんど存在しない」地域はないだろう。休日の午前中などは人とすれ違うこと自体が珍しいと言っても過言ではない。
このほどその元麻布の一角に新たな高級賃貸マンションが誕生した。「ホーマットマンション」が建て替えられ、地上6階建て総戸数19戸「The Upper House」。「六本木ヒルズ」の南隣、地勢としてはなだらかに傾斜していく高台の先端にあたる。
行き届いたサービス、邸宅感を意識した建物
昨今は賃貸市場においても大型化が進み、共用施設や人的サービスの充実をアピールするプロジェクトが増えた。一方、低層住宅街に代表する瀟洒な邸宅系マンションでは、そのような一世帯あたりのコストが膨らむ付加価値は出しにくい。しかし、「The Upper House」の特長はまさにそのサービスにある。森ビルと提携し、都内5箇所のヒルズスパが利用可能になるばかりでなく、さまざまな商業施設の特典が受けられる「Smile」(「森ビルの高級賃貸マンション、入居者サービスの中身」参照)の他、メンテナンスでも「六本木ヒルズレジデンス」のスタッフが対応してくれるという徹底ぶりだ。
エントランスを入ると真正面にライブラリーラウンジが。この共用スペースは屋外デッキへとつながっている。各住戸の間取りは3~4Bedroom中心の大型プランが用意された。次のページでは、専有部の画像とプランをご紹介する。