大人バレエに役立つステップの知識
バレエで使われる用語はほとんど全てがフランス語です。大人からバレエを始めた方は、きっと聞き慣れない響きに戸惑うことでしょう。それぞれのステップ名の意味を理解し、動きの基本ルールを知ることで、自信を持って主体的に動けるようになっていきます。もちろん、戸惑いが少ない方が上達しますね。今回はバー・レッスンによく出てくる代表的なステップ名について解説します。バットマン
バットマンで始まる用語、バットマンが含まれる用語が沢山あります。このバットマンが分かればバレエの動きがだいぶわかりやすくなります。バットマンとは、片脚を離したり、引きつけたりする動きを表すバレエ用語で、基本的には行って帰ってくる動きです。フランス語での意味は「打つ」です。つまり、バットマンが含まれるステップでは、脚で何かを打つ動きのことだと思ってください。1. バットマン・タンデュ
2. バットマン・タンデュ・ジュテ (バットマン・デガジェ、バットマン・グリッセとも言われます)
3. バットマン・フラッペ
4. バットマン・フォンデュ
5. プティ・バットマン・スュル・ル・ク=ドゥ=ピエ
6. バットマン・デヴェロッペ
7. グラン・バットマン
これら7つはバー・レッスンで行われる代表的な動きです。これが分かるだけでも相当理解力が深まりますね。
1. バットマン・タンデュ
タンデュは「張る」という意味です。動きの性質は、足5番または1番から動脚の膝を伸ばしたまま床の上を滑らせて、2番または4番のポアント・タンデュ・ア・テールにし、再び元のポジションに戻ります。
◎バットマン・タンデュのコツ
動脚の足裏をワイパーで軽く拭くように使います。あまり足裏で床を押しすぎると余計に力が入ってやりにくくなります。
2. バットマン・タンデュ・ジュテ (バットマン・デガジェ、バットマン・グリッセとも言われます)
ジュテは「投げる、投げ捨てる」という意味です。動きの性質は、バットマン・タンデュとほとんど同じですが、2番または4番に出た足は床から離れます。
◎バットマン・タンデュ・ジュテのコツ
空中で動脚を止めるように出しましょう。あまり力を入れすぎると高くなりすぎるし、力を入れなさ過ぎても弱弱しい動きになります。メリハリをつけて快活に行うようにしてください。
3. バットマン・フラッペ
フラッペは「叩く、削る」という意味です。動きの性質は、動脚の足首が軸脚のくるぶしの上から動脚つま先の裏で床をこするようにたたき、2番または4番の低いデガジェ (床から離れた脚が伸びたポジション) にし、再び元のポジションに戻ります。
◎バットマン・フラッペのコツ
つま先の裏で床を強くたたきすぎないようにしましょう。タップダンスのように、軽くたたく程度に抑えてください。
4. バットマン・フォンデュ
フォンデュは「溶ける」という意味です。動きの性質は、バットマン・タンデュあるいはバットマン・タンデュ・ジュテの動脚つま先を軸脚くるぶしにつけ、同時に軸足はドゥミ・プリエになります。
◎バットマン・フォンデュのコツ
軸足と動脚を同時に曲げるのですが、その曲げの角度が違うので、同時に曲げ伸ばしするのが大変難しい動きです。よ~く考えながら行ってください。
5. プティ・バットマン・スュル・ル・ク=ドゥ=ピエ
プティは「小さい」、スュルは「上に」、ク=ドゥ=ピエは「足首」という意味です。動きの性質は、動脚つま先を軸脚足首の上に置き、その動脚の腿を動かさずに、膝から下を少し2番に出し、素早く元のポジションに戻します。
◎プティ・バットマン・スュル・ル・ク=ドゥ=ピエのコツ
少し出す2番では、膝からつま先までが垂直になるように気を付けましょう。それよりも動脚が広く動かないように。
6. バットマン・デヴェロッペ
デヴェロッペは「発展する」という意味です。動きの性質は、ゆっくりと動脚をルティレ (動脚の膝を曲げ、軸脚膝に動脚つま先が付くポジション) に引き上げ、4番または2番の空中にゆっくりと伸ばします。
◎バットマン・デヴェロッペのコツ
ルティレから膝を伸ばすとき、上げた膝が下がらないように気を付けます。息を吸いながら行うと高さを維持できます。
7. グラン・バットマン
グランは「大きい」という意味です。動きの性質は、5番から2番または4番へ、動脚の膝を伸ばしたまま高く上げて、5番に戻ります。
◎グラン・バットマンのコツ
力任せに行うと形が崩れ、高さも得ることができません。これも息を吸いながら頂点の高さまで上げ、吐きながらおろすとコントロールができます。
いかがでしたでしょうか。少し専門用語があって難しかったかもしれません。教師が普段のレッスンで普通に口にする言葉なので、慣れていただけたらと思います。
「バットマン」がわかればバー・レッスンはあなたのものです!!