再就職の壁?「ブランク期間」
まずは自分のことをよく振り返ることが大切
けれども、何も仕事をしていない期間、いわゆるブランク期間があるということが不安で、なかなか再就職へ踏み出すことができない、と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
仕事が見つからないかもしれない、今の自分では新しい職場のスピードについていけないかもしれないと、始める前から不安になってしまったり、応募書類を書こうとしたら、資格や経験といった書けることが何もないと、再就職する前に自信を失ってしまう人も。
ブランク期間があることは、必ずしもマイナスではありません。その間に培った仕事以外の経験も立派な強みになるのです。そのためには、まずは今の自分自身を見つめなおすことから始めてみましょう。
どうして働きたいのか、を考える
子育てがひと段落したから、時間に余裕ができたから、といった周りの環境変化の理由以外に、そもそもどうして私は働きたいのだろう? と考えてみることが、再就職の最初のステップです。生活のために収入がほしい、誰かの役に立ちたい、社会との接点がほしい、能力を身につけたい……働く理由は人それぞれです。その理由によって、希望する働き方や仕事内容も異なってきます。また、その理由によっては、趣味で始めることや、勉強をすること、ボランティア活動など、仕事以外で実現する方が合っている場合もあります。
なぜ働きたいかは、ブランク期間の経験から生まれていることも多いもの。ブランク期間の経験を強みに変えるためにも、まずは自分自身がどうして働きたいのかを、改めてよく考えてみましょう。
ブランク期間の経験を振り返る
子育てで得た経験や知識が役にたつ仕事もたくさん
その経験によって得た力こそが、ブランク期間の強み。その経験を仕事の場面ではどう活かせるだろうか? と考えてみることで、今の自分のスキル・強みとして伝えることができるようになります。
また、再就職と考えると、以前と同じ仕事に就くことを考えがちですが、全く違う仕事にも目を向けてみることもいいでしょう。
子育てや家事で身につけたスキル、地域やPTA活動といった年代の違う人と関わった経験、趣味でやっていたことが活かせる仕事もあります。仕事とは関係がないこと、と思わずに、まずはブランク期間にしていたこと(経験)と、できるようになったこと(スキル)を具体的に書き出しましょう。
その時に分かりやすい方法が、自分の役割や立場で考えることです。「妻」や「母」としての役割、また夫や自分の両親からみた「子供」としての役割、PTAの役員としての立場や、地域の中でのまとめ役としての立場だったり、ママ友との関係の中ではよく友達を家に招待する立場であったかもしれません。もちろん、自分自身として、趣味としてやっていることもあるでしょう。
仕事には関係ないと決めつけずに、ブランク期間の経験をできるだけ多く書き出してみることで、自分でも気づかなかった強みや可能性が見つかります。
ブランク期間の経験を強みに変える
苦手だった料理ができるようになったこともブランク期間に培ったスキルのひとつ
例えば、料理にこだわってきた人もいれば、家の中を清潔にすることに力を注いでいた人もいるでしょう。子供が食べやすい料理を研究して作っているという人もいれば、いつでも人を呼べるように掃除をしてきた人や、貯金をするために家計簿をきちんとつけてきた人など、家事ひとつとっても、こだわりもその理由も人それぞれです。
その経験やこだわりが、ブランク期間に培ったスキルとして、再就職の際にアピールすることができる強みにもなるのです。
再就職に必要なスキルは、パソコンを使えるなどといった仕事に直接関わるスキルも大切ですが、もっと重要なのは、集中力がある、細かいところに気がつく、誰にでも話しかけることができる、とっさの時の判断力がある、などといったヒューマンスキルがあることです。
ブランク期間には、いろいろなヒューマンスキルを身につけてきた人も多いのではないでしょうか。その点をしっかりと棚卸しして、仕事にはどう活かせるか、言葉にしてみることで自分だけの強みにも気づくはずです。
なによりも、今までやってきた仕事の経験だけにとらわれ、「これしかできない」と仕事を限定して探したり、「やったことがないから」と未経験の職種を避けたりせずに、ブランク期間に経験したこと、身につけた力を活かせる仕事はなにがあるだろうかと考えてみましょう。
ブランク後の再就職は、新しい自分を発見することができるチャンスでもあるのです。