派手さはないものの見どころは多い街・リムリック
リムリックの街を流れるシャノン川。右奥にはジョン王の城が見える
アイルランドの南西にある町リムリックはアイルランドでもっとも長いシャノン川の河口に位置し、アメリカやヨーロッパからアイルランドに上陸する際の空の玄関口となるシャノン空港も街から24キロほどのところにあります。
イギリスからカトリックの信仰の自由を勝ち取った際のシンボル「条約の石」
リムリックは、アイルランドと聞いて思い浮かべるような自然が作り出した圧巻の風景や、緑の美しい景勝地というイメージからは遠いのですが、見どころは思いのほか多くあり、そのほとんどが街の中心地から程近いどころに集中しています。コンパクトにまとまっているので、徒歩で観光ができるのは 魅力ですね。時間に余裕があれば、観光には最低2日はほしいところで す。
9世紀にバイキングによってつくられたリムリック。その後ノルマン人が入植し、17世紀に起きたイギリスとの闘いに端を発するカトリックとプ ロテスタント全面対決の際にも最後まで戦場となりました。リムリックに
その条約は守られることがなく、皮肉にも石だけがジョン王の城の対岸に残った
は街が歩んだ歴史の名残りが随所にみられます。
ガイドが実際に足を運んで思ったのは、リムリックの街にはアイルランドを代表する 観光地ではないからこその良さがあるなということでした。例えばパブに 入れば部外者は自分ひとり。でも、観光客が来るのがめずらしいのと、ア イルランド人のフレンドリーさで、パブのおすすめや歴史を教えてくれたり。そのほかにも、お店やレストランの接客でもリムリックの人たちのちょっとした思いやりにふれました。
キングスアイランドとアイリッシュタウン
リムリック最古の建物「セントメアリー教会」はキングスアイランドにある
リムリックの街は大きく分けてキングスアイランドとアイリッシュタウンに分かれています。シャノン川と平行に位置する目抜き通りオコンネルストリートを北上すると、シャノン川から分かれた細い川アビー川が姿を現します。そのアビー川以北がキングスアイランドで、シャノン川に面する「ジョン王の城」、かつてリムリックの街を包囲するように建てられていたシティウォールの一部、リムリック最古の中世の建物「セントメアリー大聖堂」など歴史的に価値のある建物が多くあります。
カラフルなドアがかわいらしいジョージアンハウス
一方南側のアイリッシュタウンは、目抜き通りのオコンネルストリートとそこから垂直に伸びるウィリアムストリートのあたりが賑やかなエリアで、ショッピングにはこのあたりがおすすめ。オコンネルストリートをさらに南下するとカラフルなドアがアクセントになったかわいらしいジョージアンハウスが並ぶエリアがあります。
「ザクレセント」と呼ばれるこのエリアは、両サイドに美しいジョージアンハウス、中央にはオーバル型の小さなスペースがあり、その中央にはオコンネル象が佇んでいます。ペリースクエアにも美しいジョージアンスタイルの建物があり、そのエリアに面するように緑が美しいピープルズパークがあります。